渡辺徹さん次男・渡辺拓弥、短編映画で俳優デビュー、亡き父との最後のLINEもとに製作「本当に幸せ」
スポーツ報知 / 2024年10月4日 7時0分
俳優の渡辺徹さん(享年61)、女優の榊原郁恵(65)夫妻の次男・渡辺拓弥(28)が俳優デビューすることが3日、分かった。徹さんと同じ文学座付属演劇研究所の出身。徹さんが拓弥さんに送った最後のLINEをもとに製作された、短編映画「一区切りの吉日だ(^^)」(四季涼監督・脚本)に出演する。同作は、第8回渋谷佐世保TANPEN映画祭(4、5日、東京・渋谷ユーロライブ)の特別招待作品として上映される。(加茂 伸太郎)
屈託のない笑顔が愛らしい。目の雰囲気、顔の輪郭、徹さんが目の前に現れたかのような錯覚さえ覚える。
拓弥は両親の影響で、幼少期から演劇の世界を身近に感じて育った。役者の道に進むきっかけは2015年、19歳の時に米国に短期留学し、ブロードウェーミュージカル「レ・ミゼラブル」を観劇。「見る側じゃなくて出る側になりたい」という感情が芽生えたことから。17年春に大学を休学して渡米し、ロサンゼルスの学校で演劇を学んだ。
「同じ授業を選択したエンジニア志望の子に、表現力で全くかなわなくて。分かりやすく挫折しました。ちゃんとお芝居、表現を勉強しないと、という思いが強くなりました」
帰国後の18年2月、文学座本公演「真実」を観賞した。「舞台を見て、腹がちぎれるほど笑ったのは初めて。心を奪われて、文学座を目指すきっかけになりました」。家族に「役者を目指したい」と伝えると、文学座所属の徹さんがそっと差し出したのは、文学座付属演劇研究所の夏のワークショップのチラシ。「“俺の背中を見て育ったな”と、父はニンマリとしていましたね(笑い)」
大学卒業後、19年春に研究所に入所。22年10月まで3年半、研究生として過ごした。「父がいるところに行くのはプレッシャーだったけど、ここを乗り越えられれば、怖いものはないと思って覚悟を決めました。劇団の方々はみんな温かくて、濃密な時間を過ごすことができました」
俳優デビュー作は、徹さんが亡くなる1か月前、拓弥に送った最後のLINEをもとにしたオリジナル作品になる。20年から21年にかけてコロナ禍で活動できない期間が続き、自身は心身共に疲弊。徹さんにLINEで辞める旨を伝えた際に返ってきた言葉が、「今日は一区切りの吉日だな(^^)」だった。
「次に何をするかを考えるのも難しいぐらい、当時は(精神的に)苦しくて。僕にとって、前を向きづらい日じゃないですか。父は(それを分かった上で)新たな出発を意味する『吉日だな』って返事をくれて。『そんなに悩む必要ないぞ』って言ってくれている気がして、肩の荷が下りました」
撮影は徹さんの地元の茨城・古河市で行われ、“大応援団”の愛情に触れた。演じたのは高校の演劇部顧問のタクロウ。3年前、ある悲劇が襲った親友のモネ(森寧々)を無理やり練習相手に誘うのだが―。
「『徹に頼まれると断れないよな』って、現場では地元の同級生の方が集まって、たくさん協力してくださいました。羨ましいですよね、こんなにも愛されていて。こういう形で、作品として父の言葉が残るのはうれしいです」
役者を離れかけたが、徹さんの死が戻って来るきっかけになった。「もう一度、やりたいという思いが日に日に強くなって。そんな時にお話を頂いて、今があります。相談ごとがある時、ふと父に会いたいな~って思うことがあります。すごく近くにいる感覚があって、きっとどこかで見てくれているだろうなって。『父の息子として活動したい!』と胸を張って言えることが本当に幸せです」
同じ道を進むことを誇りに、尊敬する父の背中を追う。
公開が前後したが、拓弥は今年2月、徹さんが構想を手がけた映画「SENSEKI」(来春公開予定、Lukas Machac Baba監督)の撮影に臨んだ。
江戸時代の蘭学者で、古河藩家老の鷹見泉石の晩年を描いた作品。蘭学者で医師の桂川国興役を演じた。古河市観光協会、文学座、ホリプロの協力を得て、古河市内で全編ロケが行われた。
拓弥は「緊張しすぎて、あまり覚えていないです」と照れ笑い。「現場に行くと、『徹さんはああだった、こうだった』って父の話がよく出るんです。現場での姿を知ることができましたし、こんな風にして『渡辺徹』が残っていくのかと思うと、ありがたいです。僕にとっては撮影現場が一番、父を感じられる場所かもしれないです」と話した。
◆渡辺 拓弥(わたなべ・たくや)1996年2月6日、東京都出身。28歳。成城大学経済学部卒。趣味はゴルフ(ベストスコア80)、将棋、料理(得意料理は徹さん直伝のペンネボロネーゼ)、英会話。夢は日本アカデミー賞。好きな女性のタイプは愛きょうのある人。兄は俳優の渡辺裕太。身長175センチ。
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