【中日】井上一樹２軍監督に来季監督就任を要請 福永や石川昂ら若手育成を評価

井上一樹２軍監督

　中日が、井上一樹２軍監督（５３）に、来季の監督就任を要請したことが３日、分かった。同監督はナゴヤ球場で「要請があったことは事実」と、２日に球団から話があったことを明かし「返事は先になる。立浪さんが築いてきたものを壊さず、もっと光らせることができるかを考えないといけない」と、就任に前向きな姿勢を示した。受諾すれば、１軍で指揮を執るのは初めて。１軍の全日程が終了する６日にも、井上新監督が誕生する。

　チームは、昨年まで２年連続最下位と低迷。今季も４年連続Ｂクラスが確定し、３年契約が満了する立浪監督が９月１８日に退任を表明した。一方で２軍は今季、７１勝４６敗７分の２位と健闘。１３年ぶりのウエスタン・リーグＶこそ逃したが、１１年ぶりに中日に復帰した井上２軍監督は、２年連続最下位だったチームを優勝したソフトバンクと２・５ゲーム差まで引き上げた。

　今季、支配下選手登録された松木平は１軍で２勝をマーク。２軍調整を経て、１軍に送り込んだ福永や石川昂らが結果を残すなど、若手を育ててきた。選手との会話を大事にし、ベンチでの明るさを重視するなど、選手のやる気を引き出す指導を徹底した。

　現役時代は中日一筋で２００９年までプレー。引退後は１３年まで２軍監督などを歴任し、２０年から３年間は阪神のヘッドコーチなどを務めた。加藤球団本部長は「シーズンが終わってから、オーナーが要請する」と説明。指導者としての経験や実績を買われ、再建を託された。

　◆井上　一樹（いのうえ・かずき）１９７１年７月２５日、鹿児島県生まれ。５３歳。鹿児島商から８９年ドラフト２位で投手として中日に入団し、９３年の途中から外野手に転向。通算１２１５試合で打率２割７分５厘、７９本塁打、３４９打点。現役時代は１８４センチ、９３キロ。左投左打。