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状態上がらず「悩みに悩んだ」巨人エース・戸郷翔征を救った指揮官アドバイス「分岐点じゃないかな。感謝しかない」

スポーツ報知 / 2024年10月5日 6時0分

日本一へ向け全力で戦い抜くことを誓った戸郷

 巨人の戸郷翔征投手(24)が4日、スポーツ報知の取材に応じ、2024年のレギュラーシーズンを駆け抜けた現在の心境を激白した。エースとして苦しみながら、阿部監督や仲間に支えられ、4年ぶりのリーグ優勝を達成。16日に本拠・東京Dで開幕するCS最終ステージ(S)の初戦で先発する右腕は、日本一をつかむべく、最後まで全力で戦い抜くことを誓った。(取材・構成=水上 智恵)

 歓喜の瞬間を思い返しながら、戸郷は今季を振り返った。新エースとして、今季は離脱なく26試合に登板。180イニングを投げ、自己最多タイの12勝(8敗)、防御率1・95とチームを支えた。一定の達成感はあったが、決して満足はしていないという。

 「無事、レギュラーシーズンが終わりました。防御率も1点台で終われたし、1年間けがなく抹消されることもなく終われたのは良かった。でも、悔いのある試合もたくさんあった。今年はMVPとか最多勝を目標にしてきた。そういうタイトルも欲しかった。来年に持ち越しですけど、また来年への覚悟も固まってきました」

 自身初の開幕投手からスタートした24年シーズン。キャンプから本来のボールが投げられず、状態が上がり切らないと感じていた。もどかしさを覚える中、相手エース級との投げ合いの連続。開幕投手の宿命だった。ロースコアの苦しい展開が多く、我慢の時間が続いた。

 「今年は、本当に大変でしたよ。ボールも成績も思うようにいかずに、悩みに悩んだ。最終的に笑顔で終われたのは良かったですけど、負けの数は多いし、自分の思い描いたものとちょっと遠いところはありました。開幕してから体が思うように動かないこともあって、遠投の距離を延ばしてみたり、トレーニングの量を増やしたり、いろいろ試しながらやってきましたね」

 求める理想の高さゆえ、自分自身にいら立ちを感じることもあった。追い詰められていた心を救ってくれたのは、5月10日・ヤクルト戦(神宮)での阿部監督の言葉だった。

 「あの神宮が分岐点じゃないかな、と思う。『100%を求めすぎるな』って、言われて。自分の100%じゃなくて、その日できる100%でいくことも大事。高いところを求めることは大事だけど、勇気を持ってそれを変えることも必要だと試合中に言ってもらって、立ち直ることができた」

 2回2死から2者連続四球を与えるなど、突如制球が乱れた。ベンチに戻ると、すぐ横に座った阿部監督から、肩を組まれ、声をかけられた。その後はわずか1安打に封じ、7回1安打無失点で3勝目。切り替えの重要性を肌で感じた一戦となった。

 「阿部さんも僕が成績が出なくて、むずむずしたところもあったと思う。開幕投手に指名してもらって、こんなにいろんな経験をさせてくださって、僕を信頼して今年1年間ずっと使ってくれて、感謝しかない。今年成長できたのも監督のおかげかなと思います」

 感謝したいのは指揮官だけではない。今季は菅野、山崎伊と3人が2ケタ勝利に到達。巨人で同一シーズンに3投手以上が2ケタ勝利を挙げるのは17年の菅野、マイコラス、田口以来となった。ともにチームを背負う心強い仲間の存在は大きいという。

 「3人が10勝できたのは大きいですね。菅野さん、伊織さん、グリフィン、そして今年は(井上)温大も8勝してくれた。温大が出てきてくれたのは、チームとしてもすごくプラスだと思います。先発ローテのイスは6つしかないけど、6人の選手が1年間投げ抜くチームは強い。その形に近いものが今年はできつつあったということが、リーグ優勝につながったのかなと思います。先発投手が活躍することの大事さも知りましたね」

 チームを俯瞰(ふかん)できるようになったのも、成長の一つだろう。だが、目指すものはまだまだ先にある。次は日本一達成の瞬間を待ちわびる。まずは16日から、阪神とDeNAの勝者とCS最終Sを戦う。満を持して、戸郷が先陣を切る。

 「最初から全力でいくことが大事ですし、ゼロでいけるようにいくことが一番。CSは自分の勝ちは関係ない。チームが勝てばそれでいいので、交代と言われるまで全力で投げます」

 未体験の喜びを味わうために、新エースは最後まで全力で戦い抜く。

 ◆戸郷のCS登板

 ▽19年10月11日=最終S・阪神3戦目(東京D) 高卒新人で史上3人目となるCS先発(球団では最年少出場)=写真=。0―0の3回に梅野にソロ本塁打を浴びるが、3回3安打1失点で勝敗つかず。

 ▽21年11月7日=第1S・阪神2戦目(甲子園) 3番手として3―2の3回から3イニングを投げ、3安打無失点に抑え、初ホールドをマーク。

 ▽同10日=最終S・ヤクルト1戦目(神宮) 中2日で0―3の5回から2番手で登板。2回を2安打無失点。

 ◆今季の戸郷 自身初の開幕投手を務めた3月29日の阪神戦(東京D)で6回無失点で1勝目を挙げると、前半戦はエース級がそろう「金曜日」に主に登板。5月24日の阪神戦(甲子園)では自身初、プロ野球89人目、101度目のノーヒットノーランを達成。甲子園に限れば、1936年9月25日タイガース戦の沢村栄治以来、球団88年ぶりの快挙となった。後半戦も8月8日の広島戦(東京D)、同14日の阪神戦(東京D)で2戦連続の完封勝利を挙げた。

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