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「そんなに俺うまくない。そんなに速くないし…」堤聖也、井上尚弥とスパーの拓真に対し自虐、リズムの乱れ期待

スポーツ報知 / 2024年10月5日 6時0分

シャドーボクシングで汗を流す堤(カメラ・堺 恒志)

◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・井上拓真―同級2位・堤聖也(13日、東京・有明アリーナ)

 WBA世界バンタム級2位の堤聖也が4日、都内のジムで同級王者・井上拓真とのタイトルマッチ(13日、東京・有明アリーナ)に向けた練習を公開した。熊本・九州学院高2年の12年8月3日、高校総体準決勝で敗れた拓真との4454日ぶりの再戦へ調整は順調。拓真が仮想・堤として世界4団体スーパーバンタム級統一王者で兄の井上尚弥(31)=大橋=と練習したことに、レベルが自身より高すぎてリズムが崩れる可能性を指摘した。初の世界戦で雪辱を果たし、ベルトを奪う。

 堤はミット打ちで、一発一発確かめるように、丁寧にパンチを繰り出した。高校時代、内容で圧倒されて判定負けしてから12年。「リベンジの気持ちは強いけれど、それより井上拓真っていう強い選手と戦えるのが楽しみ」。待ちに待った再戦が迫り、思わず表情が緩んだ。

 高校卒業後に進んだ平成国際大でボクシングは辞めるつもりだった。しかし、高校時代に戦った拓真、田中恒成らがプロで次々と世界王者になっていった。「居酒屋でテレビ見ながら、昔こいつらと戦ったことあるんだって言うような大人になりたくなかった」。闘争心に火がつき、プロ入りを決意した。

 一番になったことがない「劣等感」を原動力に勝ちを重ねて22年6月、日本王座に就いた。だが、満足はできなかった。「僕の中でチャンピオンとは世界チャンピオン」。右、左と状況で構えを変えるスイッチを武器に14戦目で、プロ入りのきっかけでもあった拓真との世界戦へたどりついた。

 ライバルは“二刀流”対策に、兄・尚弥が仮想・堤としてスパーリングパートナーを務める。敵陣営の最強の練習相手の話題になると、自虐気味に笑った。「そんなに俺うまくない。そんなに速くないし、もっと下手くそ。いざ対戦して、なんかリズム違うってなってくれたら」。尚弥とのレベルの違いが、試合でプラスに働くことを願った。

 昨年12月、日本王座4度目の防衛戦後に意識を失った穴口一輝さんが今年2月、23歳で亡くなった。「穴口さんだけでなく僕と戦った後、引退した選手も何人もいる」と思いを背負って世界戦に臨む。「全体的な時間では基本的には拓真が上。けど、ボクシングって瞬間、瞬間で展開が動くスポーツ」。13年越しのリベンジへ。一瞬のチャンスを逃さず下克上を成し遂げる。(戸田 幸治)

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