【オリックス】中嶋聡監督が電撃辞任「やり返すのなら新しい形の方がいい」後任は岸田護投手コーチが有力候補
スポーツ報知 / 2024年10月7日 3時0分
◆パ・リーグ 楽天1x―8オリックス=7回表1死降雨コールド=(6日・楽天モバイル)
オリックス・中嶋聡監督(55)が6日、今季限りでの辞任を電撃的に表明した。今季最終戦だった楽天戦の試合後、選手やコーチ陣全員に初めて伝えた。リーグ4連覇を目指した今季は故障者続出で苦しみ、5位に低迷。9月初旬に受けていた続投要請を固辞した。20年途中の監督代行から21年に監督就任し、リーグ優勝3度、日本一1度を成し遂げた名将。球団は内部昇格を軸に後任選びを急ぎ、オリックスひと筋の岸田護投手コーチ(43)が有力候補に挙がっている。
中嶋監督が胸に秘めていた思いを明かした。「責任、取ります。来年、監督をやることはないです。自分の人生の中で、最高の6年間だった。感謝しています」。今季最終戦だったこの日の楽天戦を終え、仙台市内の宿舎に選手やコーチ陣、スタッフら全員が集合。自身の口から初めて、今季限りでユニホームを脱ぐことを伝えた。
その後、報道陣に対応。落ち着いた口調で切り出した。「もう一回やり返したいという気持ちはありましたけど、やり返すのなら新しい形の方がいい」。就任4年目はほぼ上位争いに絡めず、5位と低迷。「優勝していたチームが、ここまで落ちることの責任を取りたい。今年で辞任します」と真っすぐに前を向いた。
昨年オフも「一年一年が勝負」と単年契約を更新。9月上旬に湊球団社長から続投要請されたが、返答は保留した。9月22日の日本ハム戦(京セラD)でCS進出の可能性が完全消滅した。引き際を決断したのが、この前後だったとみられる。
19年の2軍監督から20年の監督代行を経て、昨年までのリーグ3連覇。22年には26年ぶりの日本一へ導いた。選手として初めて1軍出場した18歳から休むことなく、戦い続けてきたこともあり、自分自身と向き合った上で気持ちを整理した。
同じ阪急、オリックスOBの先輩として信頼し、監督時代の背番号78を受け継いだ福良GMからも複数回にわたって慰留を受けた。それでも、一度固めた決意は変わらなかった。周囲のごくわずかにだけ意向を伝え、シーズン全日程を終えるまで公表を避けたのも、プロとしての美学だった。
覇権奪回を見据える球団側は、迅速に後任監督の選定に着手する。すでに内部昇格を軸にリストアップを進めており、オリックスひと筋で433試合に登板した岸田投手コーチが有力候補に挙がる。19年の引退後は、指導者として投手育成に尽力。中嶋野球を熟知する一人でもある。
新人時代から手塩にかけてきた宮城はエースとして飛躍し、紅林も不動の正遊撃手に定着した。「楽しみな選手はいますし、行く末は見たいですけど。いつか終わりは来る。ここで、って決めたわけですから…」。勝利と育成を両立させ、圧倒的な実績を残した名将が打ったピリオド。オリックスは大きな転換期を迎える。
◆中嶋 聡(なかじま・さとし)1969年3月27日、秋田県生まれ。55歳。鷹巣農林(現・秋田北鷹)から86年ドラフト3位で阪急(現オリックス)入団。西武、横浜(現DeNA)、日本ハムと渡り歩き、2007年からバッテリーコーチ兼任。15年限りで引退。19年からオリックス2軍監督。20年途中から1軍監督代行、21年から1軍監督を務め、リーグ3連覇。22年に日本一。選手時代は通算1550試合、804安打、55本塁打、349打点、打率2割3分2厘。右投右打。
◆岸田 護(きしだ・まもる)1981年5月10日、大阪・吹田市生まれ。43歳。履正社では1年夏の甲子園に出場したが登板なし。東北福祉大を経てNTT西日本に入り、05年の日本選手権で準優勝。同年の大学・社会人ドラフト3位でオリックスに入団。09年に自己最多10勝を挙げるなど、通算433試合で44勝30敗63セーブ、63ホールド、防御率2・99。19年限りで引退し、20年から投手コーチ。現役時代は180センチ、80キロ。右投右打。
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