大谷翔平が口にする逆転突破への自信の根拠「ちょっと嫌な雰囲気でしたけど…」 負けても価値ある１点差

◆米大リーグ・地区シリーズ　パドレス６―５ドジャース（８日、米カリフォルニア州サンディエゴ＝ペトコパーク）

　ドジャース・大谷翔平投手（３０）が８日（日本時間９日）、１勝１敗のタイで迎えた地区シリーズ第３戦の敵地・パドレス戦に「１番・指名打者」でフル出場したが４打数１安打で、チームは逆転負けを喫して対戦成績が１勝２敗となって崖っぷちに立たされた。逆転勝ちのパドレスは、地区シリーズ突破、リーグ優勝決定シリーズ進出に王手をかけた。

　５点を追う３回無死一塁の２打席目に、バットを折りながら２試合、８打席ぶりの安打となる中前安打を放ち、１点差に迫るＴ・ヘルナンデスの満塁本塁打につなげたが、５―６となった４回以降は両軍得点を奪えず、そのまま試合終了。ドジャースは突破へは２連勝のみと、崖っぷちに立たされた。

　試合後に取材に応じた大谷は「２連勝してればいいゲームだと思ってるので、後がないとかっていう感覚自体が今の僕にはないかなと思うので、２連勝すればオッケーという、そういうゲームだと思います」などと、２連勝での逆転突破に自信を見せた。その言葉の裏には、この試合の展開もあった。

　１点リードした２回には守備でのミスが絡んで６失点。先発のビューラーがベンチに戻ってグラブをたたきつけるなど、チームのムードは決していいとは言えなかった。それでも３回には大谷の安打などを起点に作った１死満塁のチャンスでＴ・ヘルナンデスが満塁本塁打。ワンサイドゲームを接戦に持ち込んだ。逆転こそできなかったが、第４戦につながる一戦になったのは確かだ。

　大谷は「劣勢からしっかりとそこまでまず追い上げてますし、そこはもちろん自信持っていいんじゃないかなか思う」と手応えを口にし、４番の満弾を「もう素晴らしい一振りでしたし、もうチームを一気にこう、ゲームに戻すような、そういう素晴らしい一打だったと思います」とたたえた。

　追い込まれても、「チームの雰囲気はやっぱりいいんじゃないかなと思います。もちろんその短期決戦に臨むにあたって、みんな気合も入ってると思うし、もちろん勝ちたいっていう気持ちも出てるとは思うので、今日も負けてはしまいましたけど、全体的な雰囲気というのは、みんな勝ちに向かって見えてるんじゃないかなとは思います」と証言した大谷。自身の調子についても「状態自体はいいとは思いますね。やっぱり今日も、（中飛だった１点を追う３打席目など）捉えてはいるので、（本塁打が）入ってくれたらゲーム戻すいい一打にはなったと思うんですけど、あと少しのところだったかなとは思います」と必死に前を向いていた。