６年の交際経て５月に結婚 池村寛世、キャディー務める妻のため！メジャー初制覇で優勝賞金４２００万円ゲットだ

１１番、軽食を取りながらラウンドする池村（右はキャディーを務める妻の琴音さん＝カメラ・今成　良輔）

◆男子プロゴルフツアー　今季メジャー第３戦　日本オープン　第１日（１０日、埼玉・東京ＧＣ＝７２５１ヤード、パー７０）

　ツアー通算２勝の池村寛世（ともよ、２９）＝ディライトワークス＝が７バーディー、ボギーなし、自己最少に並ぶ６３で、７アンダーの単独首位発進。大会前の練習ラウンド（８日）ではラフに苦戦して３ホールで切り上げたが、好調な第１打を武器に攻略した。次週はキャディーの妻・琴音さん（２８）とタイの試合に遠征予定で、初メジャーＶで航空券代をゲットする。今平周吾（３２）＝ロピア＝が３打差の２位で続いた。

　池村は最終１８番でバンカーから１５ヤードの第３打を沈め、笑顔のバーディー締めだ。前半の５番からは４連続バーディー。唯一のボギーなしで自己最少に並ぶ６３をメジャーで記録し「２００点のゴルフ」と声を弾ませた。大会最少スコア（６２）にもあと１打と迫った。

　苦戦を覚悟していた。ラフは長さ２０センチ以上で球が隠れるほどの設定となっており、８日の練習ラウンドでは「心が折れて、３ホールで帰った。全然面白くなかった」とすぐにコースを後にした。近くの練習場で１５０～２００球を打ち込み調整。今週からシャフトを替えたドライバーを約１０回と多用し、この日は「（第１打で）ラフに外したのは２回だけ」とフェアウェーキープに成功した。

　５月２６日にキャディーの琴音さんと６年の交際を経て結婚した。次週は急きょ決まったタイでのアジアンツアー出場を予定し、航空券代は「プレミアムエコノミーで２人で往復約４０万円」という。「今週は稼ぐためにも頑張りたい。優勝したらビジネスクラスに変えます」と新妻のためにも奮闘を約束した。

　メジャー初制覇で優勝賞金４２００万円を獲得ならビッグボーナスを手にする。２２年ＡＳＯ飯塚チャレンジド以来となる３勝目、結婚後初優勝も懸かる。飛ばし屋としてならす池村は「メジャーのタイトルも欲しい。明日以降？　フェアウェー（キープ）に徹します」と正確性重視で頂点を目指す。（岩原　正幸）

　◆池村　寛世（いけむら・ともよ）１９９５年８月３０日、鹿児島・志布志市生まれ。２９歳。１０歳でゴルフを始め、尚志館高１年時に国体少年男子個人戦で優勝。２年時に半年間、豪州にゴルフ留学。帰国後に高校を中退し、２０１３年にプロ転向。２１年にツアー初Ｖ。２２年６月に２勝目。今季平均飛距離は３０２．２２ヤードで１０位。焼酎の原料となるサツマイモ農家の長男。１６６センチ、７２キロ。