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幕末の勝海舟が支えた日本一の大茶園…「島田宿」で学んだ茶の魅力…東海道五十三次・静岡の宿場町新名物

スポーツ報知 / 2024年10月11日 9時14分

「ふじのくに茶の都ミュージアム」の館内を案内してくれた職員の石川さん

 東海道五十三次の県内にある地点ごとに注目のスポットなどを取り上げる企画(随時掲載)の今回は、県内13番目の「島田宿」。市内には東京ドーム約1000個分にあたる総面積5000ヘクタールの茶畑「牧之原大茶園」がある“お茶の街”。茶の知識を高めると同時に、日本茶の消費量減少を背景に斬新なアイテムを作る“静岡茶愛”を見た。

 島田宿とお茶の関係性を知ろうと、「ふじのくに茶の都ミュージアム」を訪れた。館内のショップでは食べ物を中心に日本茶関連の商品が並んでいた。「面白い茶グッズが出てきている」と職員の石川喬哉さん(28)。日本茶の国内消費量が低下している現実に直面するなか、様々なアイデアが盛り込まれていた。

 目に留まったのは香水だった。徳川家康ら武将の愛刀を表現したという天然緑茶香水シリーズの「刀剣香」。いずれも静岡茶から抽出したものだ。島田市の会社「アクト・フォ」が2021年に販売、特許取得した「緑茶香」の抽出技術を用いた一品。刀剣を擬人化したアニメ「刀剣乱舞」が呼び水となり、話題になった。「購入した方から想像通りの匂いと意見もいただいた」と緑茶事業担当の太田めぐみさん(69)。昨年のNHK大河ドラマ「どうする家康」で徳川家康にちなんだ展示が増えたことで、再び注目を集めたという。

 太田さんによると、夫が営む茶畑が価格低下の影響で経営難に陥った。そこで調香師でもある娘の奈月さんと会社をたちあげた。そんな経験があるからこそ、茶農家支援の強い思いを持っている。

 農林水産省の発表によると、静岡は23年、仕上げ茶として再製する前の「荒茶」の生産量で全国1位を記録した。島田市、牧之原市、菊川市にもまたがっている「牧之原大茶園」は、静岡茶生産量の約40%を占める日本一の大茶園でもある。

 ミュージアムの石川さんに、大茶園ができた経緯を聞いた。江戸幕府崩壊で多くの武士が失業する中、徳川慶喜を警護するために発足した「精鋭隊」の隊長も務めた中條景昭が、勝海舟に荒地を開墾したいと相談。勝の資金援助も受け、約300人を率いて牧ノ原を開拓したことが大きいと聞き、勉強になった。

 ミュージアムでは他に、歴史という観点だけではなく、文化など多角的に学べる。世界のお茶体験もでき、時期によっては併設された茶畑で茶摘み体験や手もみ体験、茶室で茶道体験もできる。同施設が隣接する「牧之原大茶園」を一望しながら日本茶も味わえ、五感で楽しめる。お茶愛が強い街でのお茶の味は格別だった。(伊藤 明日香)

 ◆島田宿 東海道23番目の宿場町。駿河国と遠江国の間を流れる大井川を控えた宿場。大井川の川幅は広く、旅人は川越人足を雇って川越えを行った。

 ◆ふじのくに茶の都ミュージアム 開館時間は午前9時から午後5時(入館は午後4時半まで)。定休日は火曜日(火曜日が祝日の場合は開館し、翌平日が休館)。住所は島田市金谷富士見町3053―2。JR金谷駅から島田市自主運行バスの萩間線、または勝間田線に乗車し、「二軒家原」から徒歩3分。島田市コミュニティバス「ふじのくに茶の都ミュージアム」から徒歩1分。

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