ジャイアント馬場VS“鉄の爪”エリックで始まった日本武道館のプロレス史…猪木VSルスカ、天龍VS長州
スポーツ報知 / 2024年10月12日 11時30分
日本武道館(東京・北の丸公園)が開館60周年を迎えた。1964年10月3日に開館し、同20日に東京五輪の柔道競技が開幕した。ザ・ビートルズの日本公演(66年)をはじめとするコンサートホールとしての顔のほか、プロレス会場としても数々の名勝負を見つめ続けてきた。報知新聞が伝えた武道館のプロレス史をひもといてみる。
日本プロレスが武道館に進出したのは66年12月3日のことだった。翌4日付3面に「馬場、鉄のツメ エリック破り“7度目”」の見出し。インターナショナル王者のジャイアント馬場が、“鉄の爪”フリッツ・フォン・エリック(米国)に2―1で勝利し、7度目の防衛を果たした。エリックのアイアンクローを馬場が必死で防御している写真は迫力満点だ。馬場が16文キックからの片エビ固めで先勝し、2本目は「鉄のツメじめ」でギブアップ、最後はエリックがイス攻撃で暴れて反則裁定。記事では馬場のV7について「テーズ、ブルーザー、モンスーン、エリックとどれをとっても世界のトップクラスばかり。その中でもエリックが一番強い相手だった」と記されている。
武道館決戦が1面を飾ったのは、76年2月6日のアントニオ猪木とミュンヘン五輪柔道金メダリストのウィリエム・ルスカ(オランダ)による「格闘技世界一決定戦」(新日本プロレス)。翌7日付1面には「闘魂・猪木“岩石落とし”3連発」「ルスカTKO 20分35秒 タオル投入」「これがプロとアマの差だ! メダリストも道化役」と威勢のいい見出しが並ぶ。この年の6月26日に行われたボクシング世界ヘビー級王者のムハマド・アリと猪木の同決定戦の方が世界的に有名だが、翌27日付は5面で、1面は「巨人40勝」だった。プロ野球のオンオフもあるが、武道館でオランダの柔道王をやっつけたというドラマ性が、引き分けに終わった“世紀の一戦”を上回ったことは確かだ。
79年8月26日の新日本、全日本、国際の「プロレス夢のオールスター戦」で馬場と猪木が8年ぶりにBI砲を結成し、アブドーラ・ザ・ブッチャー、タイガー・ジェット・シン組に勝利した記事は同27日付。「今度2人が顔を合わせるときは2人が戦うときです」(猪木)、「近い将来対戦する日が来るかもしれない」(馬場)とのコメントが紹介されているが、この武道館が最後の両雄競演となった。
全日本がジャパンプロレスを迎えた日本選手だけの興行「スペシャルウォーズIN武道館」(85年6月21日)は業界の歴史を変えた。翌22日付では天龍源一郎(全日本)VS長州力(ジャパン)を社会面で取り上げ、「長州暴走反則負け 天龍血の海」「日本武道館に12000人」の見出しとともに、ポストBI時代の「ニューパワー」と紹介。エリックやアリら超大物外国人を来日させなくても、お客さんを呼べることが実証された。
以降、平成の全日本では三沢光晴、川田利明、小橋健太(現・建太)、田上明の四天王プロレスが武道館を熱くさせた。令和になってからは、2022年に新日本、全日本が50周年記念大会をそれぞれ武道館で開催。プロレスリング・ノアは来年1月1日に3回目の元日興行を打ち、歴史は進行中だ。
〇…「日本武道館開館六十周年記念式典・祝賀会」が2日に都内のホテルで開かれた。45周年と50周年の時には「日本武道祭」が館内で行われたが、「今年は予定していません」という。5、6日に全日本学生柔道体重別選手権が行われたほか、合気道、空手道、剣道、少林寺拳法の大会が11月にかけて予定され、武道の振興・普及事業が展開される。その空き日にコンサートホールやプロレス会場となる。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
第3の男・天龍源一郎「ミスター」に昇格!87年ジャンボ鶴田に初勝利
東スポWEB / 2024年10月6日 10時19分
-
大木金太郎が猪木戦に向けグアムで猛トレ 〝犬猿〟坂口征二とは電車の連結部で手打ち…新間寿氏語る
東スポWEB / 2024年10月6日 10時19分
-
【1964(昭和39)年10月3日】日本武道館が開館
トウシル / 2024年10月3日 7時30分
-
藤波辰爾〝幻〟のNWA王座の舞台裏 深夜のイチャモンで取り消しに…流智美さん明かす
東スポWEB / 2024年9月22日 10時4分
-
【ザ・グレート・カブキ連載#19】全日で頭ひとつ抜けていた若手…その名は三沢光晴
東スポWEB / 2024年9月19日 16時3分
ランキング
-
1山本由伸、5回無失点でPS初勝利 史上初のPS日本投手対決制する 満面笑顔の大谷にも頭なでられる快投
スポニチアネックス / 2024年10月12日 11時37分
-
218歳・田中こころ、鮮烈“Wリーグデビュー”11得点&勝ち越しゴール 強心臓の持ち主「先輩いじったりします」
スポーツ報知 / 2024年10月11日 23時1分
-
3大谷翔平 ダルビッシュの前に第3打席まで3打数無安打2三振 前回対戦も3打数無安打で9打席安打なし
スポニチアネックス / 2024年10月12日 10時46分
-
4ダルビッシュ、7回途中2失点で降板 大谷翔平を無安打も…痛恨のソロ2発にうつむく
Full-Count / 2024年10月12日 11時2分
-
5大谷翔平が大一番でVSダルビッシュ有 空三振、三飛と2打席目まで快音なし…ドジャースが2回に先取点
スポーツ報知 / 2024年10月12日 9時54分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください