「日本は強い」敵将マンチーニ監督も絶賛 森保ジャパン、勝利への執念が凝縮された“5秒間”を担当記者が「見た」
スポーツ報知 / 2024年10月12日 6時0分
◆26年北中米W杯アジア最終予選▽第3戦 サウジアラビア0―2日本(10日、サウジアラビア・ジッダ)
【ジッダ(サウジアラビア)10日=岡島智哉】8大会連続のW杯出場を目指す日本はサウジアラビアに2―0で快勝し、3戦全勝の勝ち点9で首位を守った。過去3戦3敗の敵地・サウジアラビア戦で、前半にMF鎌田大地(28)=クリスタルパレス=が日本初ゴールを挙げ、後半にはFW小川航基(27)=NEC=が追加点を決めた。難攻不落の地で勝利した背景を、岡島智哉記者が「見た」。11月にも日本史上最速のW杯出場を決める可能性も出てきた森保ジャパンは、15日に埼玉スタジアムでオーストラリアと対戦する。
要所の2得点で完勝した要因は魂のシュートブロック3連発だった。
5万6283人が詰めかけた完全アウェーの雰囲気も、過去3戦全敗という因縁の地も吹き飛ばした。1―0の前半27分、町田がシュートを膝でブロック。こぼれ球が相手に転がるも、町田、遠藤、守田、三笘の4人が、鬼気迫る表情で4方向から体を投げ出した。守田の尻に直撃したボールは再び相手に渡ったが、今度は町田、遠藤、守田、板倉の4人が地べたをはいつくばって止めにいき、遠藤の太ももが防いだ。勝利への執念が凝縮された5秒間だった。
最も間近で見ていた谷口は「いやあ、素晴らしかった。絶対にやらせない気持ちがこもったシーン」と絶賛。シュート3本全てに突撃した町田も「みんなで体を張れた」とドヤ顔だ。元日本代表DFの宮本恒靖・日本協会会長も「水も漏らさない集中力」と拍手した。
森保ジャパンとはどんなチームか? その答えはこの5秒間に凝縮されていた。攻撃力ばかりが注目されるが、GKからFWまでが一体となり、2次予選から9戦連続で無失点を継続する守備力があるからこそ、大量得点が生まれる。
このチームに「王様」はいない。王様級の個性、突出した能力を持つ選手は多くいるが、いずれも一生懸命に守備をする。堂安は「守備ができないと代表に入れない。攻撃と守備は表裏一体。いい守備ができると攻撃がよくなる。攻撃の選手もそれが分かっているから、守備をしている」と言う。指揮官が求める基準は高く、厳しい。それを身をもって知る選手たちだからこそ、チームのために体を張るのだ。
守備戦術の国・イタリア出身の敵将マンチーニ監督(59)に「日本は強い。得点したかったができなかった」と言わしめた。サウジ代表が試合前まで通算14戦11勝3分けと無敗を誇った“要塞”で勝てたのは、全員に高い守備意識があったからこそだ。
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