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中村虎之介「かずくん(壱太郎)とは手と手を取り合っていかないと」上方歌舞伎への使命感

スポーツ報知 / 2024年10月13日 10時0分

強い目力。カナダ出身の歌手ジャスティン・ビーバーの影響を受け、10代にアパレルで働いた経験もある中村虎之介(カメラ・小林 泰斗)

 中村鴈治郎(65)の長男、中村壱太郎(34)と鴈治郎の弟、中村扇雀(63)の長男、中村虎之介(26)は、ともに成長著しい期待の若手だ。華やかな芸能ファミリー。上方歌舞伎の復活・継承に生涯を懸けた名優・坂田藤十郎さん(2020年死去、享年88)を祖父に持つ。これまであまり将来を語り合ったことはないとのこと。しかし、個々に話を聞いてみると、見据える先にあるのは、使命感と覚悟を含んだ同じものだった。

  *  *  *

 11月の東京・歌舞伎座は舞台機構設備の工事もあり、特別公演(1~23日)を実施。「三人吉三巴白浪」「石橋」が上演されるが、その冒頭「ようこそ歌舞伎座へ」の案内人として“解説”を託されたのが虎之介だ。

 「ひとつの演目と捉えてやるつもりです」と全神経を注ぐ。この抜てきには理由がある。昨年6月の国立劇場の歌舞伎鑑賞教室で「歌舞伎のみかた」を担当し、衝撃を与えた。自身選曲の洋楽が流れ、ジーンズ姿で登場。客席の中高生たちを一瞬で引きつけてみせた。

 「今回は劇場の形態もお客様の層も違うので、別の工夫が必要になる。重きを置きたいのはふだん歌舞伎をご覧になる方に加え、まだ見たことのない方に対して。敷居の高いイメージが緩和されれば。歌舞伎座を身近に感じてもらいたいです」

 この「GREAT歌舞伎」インタビューへの登場は2015年以来。当時17歳。正直に明かせば、迷いを抱えている印象を受けた。「迷い…、あったかもしれませんね」と振り返る。しかし、近年は中村屋チームの公演で厳しくもまれ、着実に腕を上げている。喜劇的な作品では、天性と思われる間の妙を発揮する。

 「目の前の課題をクリアすることに悩むことばかり。でも少し自信をもらえたり、もっと難しい役もできるんじゃないかと思ったり。ワクワク感が成長につながれば」。もうみじんの迷いもない。

 父・扇雀を「僕の一番の理解者です」ときっぱり。一方、11月で人間国宝だった祖父の藤十郎さんを失って4年。藤十郎さんは上方歌舞伎に一生を傾けた。秀でた女形の一方で「河庄」の治兵衛、「封印切」の忠兵衛、「廓文章」の伊左衛門と“家の芸”で立役の存在感を見せるのは30代後半だ。

 虎之介がいま強く思うのは、やはり“家の芸”のこと。「かずくん(壱太郎)とは話し合ったりするようなことはないですけど。“勢いの色”は違えど共通点として祖父への憧れがある。そこに向かおうとしているのも間違いなく一緒」。語らないからこそ、逆に通じ合えることもある。

 そして「いまは共演の機会は少ないですが、手と手を取り合っていかないといけない時が必ず来る。上方歌舞伎の世界はとてつもなく難しく、大変だとは思う。でも、その時のための準備をしているところです」。(内野 小百美)

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