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「俺は絶対勝たなあかんな」矢吹正道 2人の子どものボクシング全国制覇に刺激受け世界王座返り咲き

スポーツ報知 / 2024年10月13日 5時0分

王者・ノンシンガを破り、チャンピオンに返り咲いた矢吹(カメラ・豊田 秀一)

◆プロボクシング▽IBF世界ライトフライ級(48・9キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇矢吹正道(TKO 9回1分50秒)シベナティ・ノンシンガ●(12日・愛知県国際展示場)

 元WBC世界ライトフライ級王者で、IBF世界同級2位の矢吹正道(32)=LUSH緑=が、王者シベナティ・ノンシンガ(25)=南アフリカ=に9回1分50秒でTKO勝ちし、2年7か月ぶりの世界王座返り咲きとなった。前半からジャブで主導権を握ると、8回に1度、9回には2度ダウンさせた。昨年5月に左アキレスけんを断裂。苦難を乗り越えて、再びベルトを手に入れた。(観衆3000人)

 矢吹がほえた。ロープ中段に立ち、またほえた。右ストレートで王者・ノンシンガから8回に最初のダウンを奪うと、矢吹コールが響いた。9回には連打で2度ダウンさせ、TKO勝ち。32歳の新王者は「負けたら引退だと思っていた。胸を張って世界王者と言える」とガッツポーズ。所属ジムが拠点を置く愛知のファンを沸かせた。

 夢を諦めず立ち上がり続けた。21年9月、当時のWBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(BMB)に10回TKO勝ち。世界初挑戦でベルトを奪うも、22年3月の初防衛戦で寺地に3回KO負け。わずか6か月で王座から陥落。「ボクシングを続けている以上、世界チャンピオンを目指す。じゃないと、やっている意味がない」。30歳を過ぎ、ボクシング人生の第2章がスタートした。

 競技を始めてから「ストレッチは一度もしたことがない」と言うほど丈夫な体が売りだった。だが、23年5月、練習中に左アキレスけんを断裂。引退もよぎったが、家族の説得で再びリングに立った。過酷なリハビリ中は、同じジムで練習する2人の子どもを見守りながら、自身は上半身のトレーニングに取り組んだ。

 苦難に立ち向かう父の姿を見て、中学2年の長女・夢月(ゆづき)さん、小学5年の長男・克羽(かつば)君もボクシングで奮闘。9月には、ともに全国制覇の吉報を届けてくれた。パパも「俺は絶対勝たなあかんな」と刺激を受け、世界戦への原動力になった。

 緑ジム時代から創設50周年の節目に飯田覚士、戸高秀樹に次ぐ3人目の世界王者・矢吹正道が返り咲き。松尾敏郎会長も「本当にうれしい。完璧なボクシング。僕はこれからもサポートするだけ」と目を細めた。

 矢吹は「チャンピオンのまま引退するのも目標の一つ」としながらも、「階級を上げて王者と戦いたい。オラスクアガ選手」と14日に初防衛戦を控えるWBO世界フライ級王者・アンソニー・オラスクアガ(米国・帝拳)との対戦を希望した。32歳が新たな道を切り開く。(森脇 瑠香)

◆矢吹 正道(やぶき・まさみち)

 ▶生まれとサイズ 1992年7月9日、三重・鈴鹿市。32歳。身長166センチ(リーチ164センチ)。右ボクサーファイター。

 ▶座右の銘 右胸に鏡文字で入れている「下克上」と「継続は力なり」

 ▶アマ歴 「モテたかった」と中学3年から本格的にボクシングを始め、四日市四郷高時代にインターハイ出場。戦績は16勝5敗

 ▶プロ歴 2016年3月、薬師寺ジムからプロデビュー(1回TKO勝ち)。20年7月、日本ライトフライ級王座獲得。1度防衛後に返上。21年9月に世界戦初挑戦でWBC世界同級王座初奪取。22年3月の初防衛戦で3回KO負け。

 ▶リングネーム 本名は佐藤正道で漫画「あしたのジョー」の主人公・矢吹丈から。弟でプロボクサーの力石政法もライバル・力石徹が由来

 ▶家族 妻、1男1女

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