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尚弥弟・拓真に雪辱「このためにずっと生きてきた」堤聖也、涙の世界王者 同学年18年ぶり再戦で圧倒リベンジ

スポーツ報知 / 2024年10月14日 6時0分

8回、井上拓に猛攻を仕掛ける堤(右)(カメラ・小林 泰斗)

◆プロボクシング▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 同級2位・堤聖也(判定 3―0)王者・井上拓真(13日・有明アリーナ)

 世界戦4試合が行われ、WBA世界バンタム級タイトルマッチは、挑戦者の同級2位・堤聖也(28)=角海老宝石=が、同学年の王者・井上拓真(28)=大橋=を3―0の判定で破り、悲願の世界王座に就いた。(観衆9500)

 堤はリング上でベルトを天に掲げて絶叫した。同学年の拓真との死闘を制し世界初挑戦初奪取。「この日のこの瞬間のためにずっと生きてきた」と感無量の涙を流した。

 拓真は熊本・九州学院高2年時の2012年8月、インターハイ準決勝で敗れた因縁の相手。アマからプロへと舞台を変えて12年ぶりの再戦でリベンジを果たした。健闘をたたえ合い、「彼がいたから僕はプロボクシングに来た。彼がいたから、強くなれた。人生の恩人。戦えたことをうれしく思う」とかみしめた。

 1995年度生まれの阿久井と岩田もこの日に勝った。堤はその中で最もネームバリューのある拓真との決戦を制した。右構えから左にスイッチし翻弄(ほんろう)。前に鋭く踏み込んで常に先手を取り、連打を浴びせた。10回にはダウンを奪った。「僕は95年世代の中でも、劣等感強く育ってきた。世代トップの井上拓真に勝って(世界王座)を取れた。価値がある」と胸を張った。

 昨年12月に判定勝ちで日本バンタム級王座4度目の防衛を果たしたが、対戦相手だった同級3位の穴口一輝さん(真正)が試合のダメージから、右硬膜下血腫のため2月2日に死去(享年23)。堤は穴口さんの故郷、大阪・岸和田市内で行われた葬儀に参列し、ひつぎを見送った。

 堤が4度ダウンを奪うも一進一退だった穴口さんとの試合は年間最高試合(世界戦以外)選出。表彰式で「穴口選手は本物のボクサーでした。あの試合を誇りに思っている。戦ってきた人たちの思いや人生が僕の拳に乗っている。世界は必ず取ります」と覚悟を決め、この日のリングに臨んだ。

 群雄割拠のバンタム級戦線で拓真を引きずり降ろし、10人目の日本人現役世界王者として名を連ねた。標的は多い。WBC王者の中谷潤人(M・T)、WBO王者の武居由樹(大橋)、IBF王者の西田凌佑(六島)。知名度も人気も抜群の世界ランカーの那須川天心(帝拳)もいる。バンタム級最強の称号を争う戦いが待っている。(田村 龍一)

 ◆堤 聖也(つつみ・せいや)1995年12月24日、熊本市生まれ。28歳。中2でボクシングを始め九州学院高ではインターハイや高校選抜など最高成績は3位。平成国際大を経て、18年3月にプロデビュー。19年にワタナベジムから角海老宝石ジムへ移籍。22年に日本バンタム級王座を獲得し、4度の防衛に成功。今年1月に返上した。身長166センチのスイッチヒッター。

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