【女子野球】引退する出口彩香、初Vで「笑って終わりたい」…全日本選手権
スポーツ報知 / 2024年10月13日 18時56分
◆第20回全日本女子硬式野球選手権第3日(13日、愛媛県松山市・坊っちゃんスタジアム)
2回戦4試合が行われ、8強が決まった。西武ライオンズレディースは尚美学園大(埼玉)に2―1で逆転勝ちした。
5回に代打で出場した日本代表の出口彩香(32)は、6回の第2打席で右前打を放つと、一塁上で笑顔をみせた。その後二塁盗塁も決め、「先制点を取られたときは、このまま終わるのかなと思ってしまいました。代打と言われて流れを変えようと思った。みんながつないでくれて、また明日も試合が出来る」と喜んだ。
同じく日本代表の岩見香枝とともに今季限りでの引退を表明、この大会が最後となる。野球を初めて24年、日本代表は12年のW杯カナダ大会から5大会連続出場し、7連覇した8月のW杯では川端友紀(九州ハニーズ)とともに共同主将も務めた。ライオンズでも20年の創設から関わり初代主将に。しかし今年5月に右肘を痛めて「感覚が戻らない」と引退を決意した。「日本代表で年上の人もいますが、いつかは世代交代をしないといけないと思っていた。W杯で優勝して、選手としての目標がなくなった」、今後は指導者の道も考えているが未定という。
思い出のシーンに挙げたのは14年のW杯宮崎大会での米国との決勝、降りしきる雨の6回1死一塁、二遊間の当たりを二塁手だった出口が頭から飛び込んで好捕し併殺でピンチを切り抜けた。「一番動けてがむしゃらにできた時期。あのダイビングでとったシーンが自分を変えてくれた」と懐かしがった。
あの試合でマウンドにいたのは、この尚美学園大戦で1失点完投した里綾実。「同じ年代で何も言わず同じような感覚でできる選手はあまりいない。そういう選手が居なくなるのはさみしい」としつつ、思い出のシーンには「宮崎の大会で危ない場面でゲッツーを捕ったしびれる場面があった」と、出口と同じシーンを挙げた。「いつか(引退が)あるかなと思っていた。苦しいときに助けてくれた選手ですし、最後のこの大会でも土壇場で良いプレーをしてチームに流れを持ってきてくれる。背中を見て育っている選手もたくさんいるので、若い選手がどんどん出てきて欲しいし、あと3試合なので見せ場を作って長くやりたいです」と、2歳年下の後輩にエールを送った。
14日は準々決勝と準決勝、15日に決勝と、残された試合は最大でも3試合。出口は「笑って終わりたいので、今まで通りの自分で終えられば」と、現役最後はライオンズがまだ達成していないこの大会を制したいと語った。
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