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堤聖也 中学生で立てた誓い「どんな機会があっても触れない」同世代ライバル倒し世界ベルト獲得

スポーツ報知 / 2024年10月13日 23時29分

新チャンピオンとなった堤聖也はベルトを高々と掲げ、死闘を演じた拓真からも祝福を受けた(カメラ・小林 泰斗)

◆プロボクシング▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 同級2位・堤聖也(判定 3―0)王者・井上拓真(13日・有明アリーナ)

 同級2位の挑戦者で、元日本バンタム級王者の堤聖也(28)=角海老宝石=が、王者・井上拓真(28)=大橋=を3―0の判定で破り、世界初挑戦初奪取に成功した。「新チャンピオン―」とコールされると跳び上がって喜びを爆発させた後、一瞬、泣きながら崩れ落ちた。「彼がいたから僕はプロボクシングの世界に来たと思うし、彼がいたおかげで僕はボクシングを続けて強くなってこういう舞台に立つことができました。井上拓真選手は僕の人生の恩人であります」と感謝を口にした。

 2日後に生まれた同学年のライバルとは、2012年8月のインターハイ準決勝で敗れて以来の再戦。拳を交えている間は「やっぱりうめぇな、どうしよう」「やっぱり俺はこういうところでコケる男なのかな」と弱気な心が何度もよぎったが、陣営からの励ましで気持ちを奮い立たせ、前に出続けた。

 もう1つの強い思いがあった。中学生の頃、元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志氏のチャンピオンベルトを持つ機会があった。その時に「自分のベルトを巻くまで、世界のベルトをどんな機会があっても触れない」と誓いを立てた。やっと巡ってきた世界初挑戦で、12年もの間「片思い」していた相手に思いをぶつけ、やっと自分のベルトを手にした。「95年組トップ、井上拓真に勝ってチャンピオンのベルトを取れたこと。すごく価値あることだと思います」。王者になった実感はきっと、じわじわ湧いてくる。

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