「まだ野球ができると思うと本当に幸せだな」同点打決めた日本ハムの「泣きべそ」主砲に新庄監督が絶賛

お立ち台で感極まる清宮（カメラ・越川　亘）

◆２０２４　パーソル　クライマックスシリーズ　パ・ファーストステージ　第３戦　日本ハム５―２ロッテ（１４日・エスコンＦ）

　勝利を喜ぶハイタッチの輪の中で、清宮はあふれるものをこらえきれなかった。大観衆で埋まったスタンドの絶景が涙で揺れた。お立ち台でも声を詰まらせ、人目をはばからず号泣。「この大好きなファンの皆さんと、チームのみんなとまだ野球ができるって思うと、本当に幸せだなと思います」と声を震わせた。

　バットで足で、勝利をたぐり寄せた。２点を追う３回２死二、三塁。「ここで打たなきゃ男じゃないなと、腹くくっていきました」。種市の初球の変化球を捉え、同点の右前２点打。８回にも右前打で出塁すると二盗を決め、貴重なダメ押し点をお膳立てした。

　普段は清宮を褒めないスタンスの新庄監督も「（適時打は）一発で仕留めましたね。盗塁も良かったしね」と絶賛。ただ、「でも、泣きべそやね（笑い）。まだ早い。でも、悔し泣きじゃないから。うれし泣きなんで、まあ許したろうかな。『笑』を入れといてよ（笑い）」とダメ出しも忘れなかった。

　最終Ｓへ向けて清宮は「昨日のマンチュー（万波の９回同点弾）が完全に流れを変えてくれた。また仕切り直しで福岡ですけど、勢いそのままいければ」。苦しんでつかんだ自信と勢いを武器に、真っ向から王者に挑む。（山口　泰史）