「弱いから負けた」4階級制覇の田中恒成、初の王座陥落に父・斉トレーナーが厳しい言葉…4年ぶりセコンド復帰も
スポーツ報知 / 2024年10月15日 5時30分
◆プロボクシング▽WBO世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 プメレレ・カフ(判定2―1)田中恒成(14日・有明アリーナ)
WBO世界スーパーフライ級王者の田中恒成(29)=畑中=は初防衛に失敗した。
4階級制覇の田中が初めて王座から陥落した。無敗のカフに1―2の判定負け。ジャッジ3者いずれも1ポイント差という僅差だった。「判定に納得していないとかは、ない。ただ、負けている自分に悔しさしかない」。別の相手の体重超過によって7月予定のV1戦が中止となり、仕切り直しの一戦でまさかの悪夢。目指した4団体王座統一も消えた。
挑戦者としてプロ初黒星を喫した20年12月の井岡一翔戦以来、約4年ぶりにセコンドに復帰した父・斉(ひとし)トレーナー(57)は「弱いから負けた」。2敗目の次男に手厳しかった。
田中は5回にカウンターの右フックをアゴに食らい、ダウンしたが「何をもらったかは、覚えていない」。6回以降反撃し、12回は連打でダウン寸前に追い込むも、自身のダウンが響いた。
13日の世界戦では同じ95年度生まれの岩田翔吉(帝拳)と堤聖也(角海老宝石)が初奪取、ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が防衛。田中は一歩後退し「勝って、言いたいこともあった」と悔しそうに、のみ込んだ。
今後については「考えられない。整理して、前に進むだけ」。歴戦の4階級王者は、しばし拳を休め、また歩き出す。(田村 龍一)
◆山中慎介Point
田中は僅差の判定でベルトを失ったが、5回のダウンが痛かった。挑戦者のカフはいいリズムでタイミングのいいパンチを打ち込んできた。ガードが堅いと判断した田中は中盤からボディーを狙いチャンスになりかけていた。最終的には我慢したカフに軍配が上がったが、あのダウンがなければ田中が勝っていたと思う。(元WBC世界バンタム級王者)
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