4階級王者・田中恒成、自身初の王座陥落 無敗カフに屈し、スーパーフライ級V1失敗
スポーツ報知 / 2024年10月14日 20時55分
◆プロボクシング▽WBO世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 プメレレ・カフ(判定2―1)田中恒成(14日・有明アリーナ)
世界4階級王者の田中恒成(畑中)が自身初の王座陥落となった。無敗の同級5位・プメレレ・カフ(南アフリカ)相手に、5回にダウンを奪われ、反撃も届かず、スーパーフライ級での初防衛に失敗。田中はこれまで3階級のミニマム級、ライトフライ級、フライ級では、すべて防衛と王座返上を繰り返してきたが、初めて挑戦者に王座を奪われた。通算成績は田中が20勝(11KO)2敗、カフが11勝(8KO)3分け。以下は田中の試合後、記者会見の要旨、一問一答。
―試合を終えて。
「そうですね。今はちょっと何にもどうこう頭回ってない感じです」
―試合内容は。
「ダウンを1回奪われて、その後ボディーもダメージを与えながら、ちょっと距離をつぶす形での攻防にはなったんですけど、届かなかったか、という思いですね。悔しいです」
―判定聞いた時は。
「こういう負け方は初めてなので、初めての経験というのか、何かとても悔しいですね」
―7月に初防衛戦が中止。影響は。
「僕は、その辺は気持ちが大変なことは何もなくて、フラットにこの試合に臨みました」
―今後は。
「今後の進展? この先はちょっとわかんないですね。
―カフとリマッチ?
それは僕が言葉にするあれじゃないと思うんで、今後はまだ本当にわからないとしか言えないですね」
―きょう一番うまくいかなった点は。
「そんなに何か、ここがうまくいかない、やりにくいなっていうのはなかったんですよね。あんまりそういったものは感じずに試合をしてました」
―試合していてポイントの感覚は。
「ダウンも取られてましたし、こっからまくらなきゃなっていう思いは途中はあって(中略)それでも巻き返そうと思って全てのラウンドを取りに行ったのも確かです」
―距離を取ったのは。
「くっついた方がポイントが取れるんですけど、離れ、打ったら離れることで被弾もしないようにとか、何かその辺の空転させてとか、相手のパンチをもらわずにペースを(取る)っていうのも少し意識しながら攻めることは意識してました」
―ダウンしたカウンター被弾はどこに問題があった。
「しっかり記憶というのか、覚えてはいるんですけど、どのパンチっていうのがあんまりわかってなくて自分自身も。何が原因で、とかは覚えてないんですけど、きれいに合わされたなっていう感覚はありますね。ダメージは少しありました」
―カウンターは警戒をしていたのか。
「ジャブに合わせてくる右ストレートとかは警戒していました」
―(プロ初黒星の2020年末、井岡一翔戦後とは、また感覚が違うか。
「そうですね。全然違う負けだと思います。悔しさしか残らない負け。判定に納得しないとかはなくて、ただ、ここで負けてる自分を納得(できない)というのか、悔しさしかないですね」
―(スーパーフライ級で)4つのベルトをまとめる目標もあったが、そのあたりが見えなくなった。
「そうですね、考えられないです。今日の試合を整理してから
どちらにしても、どういう形でもボクシングにしても何にしても人生続くんで、前向いてやるだけなんで、今日をしっかり、今日というのか、これまでというのか、振り返りながら、また整理して前に進むだけです」
―最終12回はラッシュを仕掛けた。
「今回の試合、気持ちで戦うことはすごく意識した。あと、昨日(13日)の試合でたくさん同級生たちも含めて(活躍した)。見ていて、(岩田)翔吉がチャンピオンになって、阿久井も防衛して、堤(聖也)と(井上)拓真の試合、堤は崩しにくい拓真に勝って、あの気持ちの強さ、本当におめでとうって思ったし、(アマ時代にライバルだった)拓真には、そうですね。この試合勝って、何か伝えたいこととかもあったというのか。あったんですけど、とにかく今日はそういう意味でも、気持ち込めて戦おうと思ってたんで、何としても勝ちたい思いはあったんですけど、残念です」
―判定が出る前に観客に両手を合わせて謝っていた。
「勝とうが負けようが、見てくれたお客さんにありがとうっていう(意図)。勝ったからありがとう、負けたからごめんなさいとかじゃなくて、どちらにしても、ありがとうございますっていう気持ちです」
◆田中恒成(たなか・こうせい)1995年6月15日、岐阜・多治見市生まれ。29歳。岐阜・中京高で全国4冠。高校3年時の2013年11月、プロデビュー。15年5月、国内最速5戦目でWBO世界ミニマム級王座獲得。16年12月、同ライトフライ級王座獲得。18年9月、同フライ級王座を奪取し世界最速タイ12戦目で3階級制覇。20年12月、同スーパーフライ級王座奪取を目指した井岡一翔戦でプロ初黒星。24年2月、4階級制覇達成。身長165センチの右ボクサーファイター。父・斉さんはトレーナー、兄・亮明さんは東京五輪フライ級銅メダリスト。
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