J1・町田が悪質な誹謗中傷に対し告訴状提出「もう限界です。断固たる姿勢で対処する」
スポーツ報知 / 2024年10月16日 6時0分
サッカー・J1の町田は15日、交流サイト(SNS)上で所属選手らに悪質な誹謗(ひぼう)中傷が相次いでいるとして、名誉毀損(きそん)などの容疑で投稿者の処罰を求める告訴状を、東京地検に提出した。町田の藤田晋代表取締役兼CEO(51)は「既に多大な実害が出ており、これ以上看過しないことを決意した。これまでは新参者への洗礼かと目を瞑(つむ)ってきました。しかしながら、もう限界です。断固たる姿勢で対処する」などとコメントを出した。
今季J1初昇格した町田は、長く青森山田高を率いてきた黒田剛監督(54)の下、守備の強度やロングスローなどを重視したスタイルで躍進し、ここまで3位と優勝争いを演じている。しかし、天皇杯で筑波大に敗れた際に学生の態度や町田選手の大けがにつながったファウルを批判した黒田監督の言動などが、SNSで批判の対象に。またロングスロー時にボールをタオルで拭いて時間をかける、PK時にボールに水をかける、など勝利の可能性を上げるための行為が、何度も非難されてきた。
クラブが告訴に踏み切った背景には、批判を超えた誹謗中傷がSNS上にあふれ、スポンサーへの影響など多大な実損、実害が出ていることがある。「(スタッフに対して)犯罪者みたいな顔」「存在が粗大ごみ」「知能がない」などの投稿も確認されており、クラブに関わる人々の精神的苦痛も続く。投稿者の属性など詳細は明らかにしていないが、今後も裁判所での発信者情報開示手続きを行うなどして投稿者を特定し、告訴する予定。
藤田CEOは「『FC町田ゼルビアならたたいてもいい』、あるいは『FC町田ゼルビア側にたたかれる問題がある』と思い込んでいる人たちの行動は、完全に度が過ぎており、これはイジメの構図と同じです」と訴えた。告訴状提出後に東京都内で記者会見した弁護団の加藤博太郎弁護士は「チームがしっかりプレーできる環境をつくらなければならない」と語った。
◆FC町田ゼルビア ゼルビアは東京・町田市の樹・ケヤキ「zelkova」(ゼルコヴァ)と、同市の花・サルビア「salvia」を合わせた造語。1989年創設のFC町田トップが前身。98年にFC町田ゼルビアに改称。2012年にJリーグ参入。18年に株式会社サイバーエージェントグループ入り。19年9月にJ1ライセンス交付。23年に就任した黒田剛監督の下で、J2初優勝、初のJ1昇格。チームマスコットはゼルビー。本拠地は町田GIONスタジアム(1万5320人収容)。
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