レスリング・パリ五輪金の日下尚が念願の巨人戦始球式「最高に楽しい１８・４４メートルでした」

セレモニアルピッチを務めた日下尚（カメラ・相川　和寛）

◆２０２４　ＪＥＲＡ　クライマックスシリーズ　セ・ファイナルステージ第１戦　巨人―ＤｅＮＡ（１６日・東京ドーム）

　レスリング男子グレコローマンスタイル７７キロ級で、パリ五輪金メダルの日下尚（三恵海運）が初戦のセレモニアルピッチを務めた。女子マラソンで２０００年シドニー五輪金メダリスの高橋尚子さんにあやかって名付けられた「尚（なお）」にちなみ、背番号７０で登場。投球はショートバウンドでミットに収まった。

　日下は幼少期からの巨人ファン。パリ五輪で金メダルに輝いた試合後に「巨人ファンなので。始球式がしたい」とアピールしていた熱意が実り、初の大役が舞い込んだ。現在は独ブンデスリーガに参戦中だが、１４日に緊急帰国。１７日に再びドイツに向かう強行日程だが「これだけはどうしてもっていうことで、夢をかなえるために帰ってきた」と明かした。

　始球式に向けては公園で「近所の中学生に教えてもらった」という。中学生からは「体の開きが早いのでしっかり壁を作れ」とアドバイスを受けて臨んだが、「五輪も緊張しなかったので緊張しないと思っていたけど、憧れのテレビでしか見たことがないマウンドに立った時に軸足が震えていた。全然ダメでした」と苦笑い。それでも「最高に楽しい１８・４４メートルでした」。高橋尚子さんの名言にちなんで喜びを表現した。

　試合前には同じ香川・高松市出身の浅野翔吾外野手とも談笑し、地元の共通の知人らの話しで盛り上がったという。ポストシーズンを戦う巨人へ「僕を含め、多くのファンが優勝を待ち望んでいる。絶対優勝してください」とエールを送った。