【番記者の視点】森保ジャパンに生まれた『12通り』の組み合わせ W杯も見据えた“奥の手”の必要性
スポーツ報知 / 2024年10月16日 22時19分
日本代表は26年北中米W杯に向けたアジア最終予選のオーストラリア戦(15日・埼スタ)で1―1と引き分け、4戦を終えて3勝1分けの勝ち点10とした。2~4位(オーストラリア、サウジアラビア、バーレーン)が勝ち点5で並ぶ混戦となる中、大きく抜け出し、首位に立つ森保ジャパン。特に豊富な攻撃のタレントたちがそれぞれ持ち味を発揮してきたが、中でも攻撃時には2シャドー×2ウィングバック(WB)にアタッカーが並ぶ2列目4人の組み合わせは、4試合で12通りに及んだ。
オーストラリア戦ではオウンゴールによる今予選初失点を追う0―1の後半30分、左WBのMF中村敬斗がドリブルでふたりを抜き去り、オウンゴールを誘発。中村の投入により左WBからシャドーに移ったMF三笘薫との“ドリブラーコンビ”で、同点ゴールを演出した。森保一監督は「選手は世界の競争の中で力をつけることで選手層が間違いなく厚くなり、監督としてはありがたい」と明かす。
最終予選中、2列目4人うち三笘(左WB)、堂安律(右WB)、南野拓実(シャドー)の3人は全4試合に先発。もうひとりのシャドーは、ホームの2試合(中国、オーストラリア)でMF久保建英、アウェーの2試合(バーレーン、サウジアラビア)はMF鎌田大地が先発した。ホームで相手を押し込む展開では狭い局面でも高い技術を見せる久保、アウェーで攻守のバランスを取りたい試合では戦術理解度の高い鎌田、というチョイスに映る。
交代カードでは全試合で1枚目にMF伊東純也を右WBに。左利きの堂安とは違った特徴を持つスピードスターで、攻守にギアを上げてきた。また2試合で左WBとして途中起用されたMF前田大然は、守備のハードワークもいとわずリードを守る展開でも機能。そしてオーストラリア戦では、今大会初めてリードを奪われた展開で、中村が左WBに。三笘や久保らからクロスは上がっても、ゴールに近い位置までは踏み込めない中で、中村がゴールライン付近までドリブルでえぐり、相手の堅い5バックからゴールをこじ開けた点はこの試合の収穫だ。
日本代表の力は対戦相手も認める中で、徹底的な対策を講じられるようになった。堂安と久保のレフティーが右サイドに並ぶ形も、オーストラリア戦では「僕とタケ(久保)が入れ替わりながらやる形も、分析されているような感じがあった」と堂安。最終予選も2度目の対戦となれば、さらに対策を講じられる可能性は高い中で、攻撃パターンは多ければ多い方がいい。さらに見据えるのは、世界の強豪とぶつかるW杯本番。相手の対策、分析を上回る“奥の手”の確立も、この最終予選に課された大きな狙いのひとつとなる。(金川 誉)
◇森保ジャパン、2列目の12パターン
【中国戦】
〈1〉三笘、南野、久保、堂安
〈2〉前田、南野、久保、伊東
【バーレーン戦】
〈3〉三笘、南野、鎌田、堂安
〈4〉三笘、南野、鎌田、伊東
〈5〉三笘、久保、鎌田、伊東
〈6〉中村、久保、鎌田、伊東
〈7〉中村、久保、浅野、伊東
【サウジアラビア戦】
〈3〉三笘、南野、鎌田、堂安
〈8〉三笘、堂安、鎌田、伊東
〈9〉前田、三笘、堂安、伊東
〈10〉前田、中村、久保、伊東
【オーストラリア戦】
〈1〉三笘、南野、久保、堂安
〈11〉三笘、南野、久保、伊東
〈12〉中村、三笘、鎌田、伊東
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