就任濃厚なバレー男子新監督は貪欲な姿勢で指導する男 コート外ではユーモアもたっぷり

ロラン・ティリ氏

　バレーボール男子日本代表の次期監督に、２０２１年東京五輪でフランス代表監督として金メダルに導いたロラン・ティリ氏（６０）＝現大阪Ｂ監督＝が就任する見通しであることが１６日、関係者への取材で分かった。早ければ２１日の理事会で承認を経て正式に決まる。フィリップ・ブラン前監督（６４）はパリ五輪後に退任していた。ティリ氏は２０～２１年季から日本のパナソニック（現大阪Ｂ）を率いているが、代表監督に就任した場合は、今季限りで大阪Ｂの監督を退く方向だという。

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　ティリ氏はユーモアがあり、コート内では厳しさを持つ。１０日の大同生命ＳＶリーグ前日会見では、「リーグの記念すべき質問第１問目」と重圧の中、手が挙がらない報道陣を見て、笑顔で立ち上がり帰ろうとして場を和ませた。今夏のパリ五輪前の取材では、パナソニックで熱心にサーブを指導してきた西田有志が、五輪で最高のパフォーマンスを出せたら「ビールで乾杯しようか」と明るく提案した。

　コートに入ると厳しい一面を見せる。１４日のＳＶリーグ開幕２戦目。サントリーに連勝したが、アタック決定率が前戦から下がった西田に対し、試合後の会見でスパイクモーションの入り方、セッター・永露元稀（２８）が送るトスの速さの問題を明示し、改善を促した。世界一を知る指揮官の結果はもとより内容にこだわる貪欲な姿勢が、日本男子を一つ上の目標へ導く。（バレーボール担当・宮下　京香）