まるでシート打撃のように振れているソフトバンク打線 ダウンズ起用は小久保監督の余裕の表れ...安藤統男

７回無死、山川穂高が左翼へソロ本塁打を放つ　（カメラ・豊田　秀一）

◆２０２４　パーソル　クライマックスシリーズ　パ・ファイナルステージ　第２戦　ソフトバンク７―２日本ハム（１７日・みずほペイペイドーム福岡）

　初戦を取って２勝としたソフトバンクは肩の力が抜けて、普段通りの野球をしていた。初戦に攻守で大活躍した二塁の川瀬をスタメンから外して、１番・二塁でダウンズを起用したのも小久保監督の余裕の表れだろう。１打席目に左前安打を放ち、３得点の足がかりをつくるなど、２安打２四球の十分な働きだった。二塁には、８回に代走で出場した牧原大も控えており、戦力の厚さを感じる。

　日本ハムも打線を大幅に組み替えた。こちらは流れを変えたいとの思いからだろう。万波、清宮の１、２番で勢いをつけたかったはず。プレーボール直後の２者連続の二塁打で狙いは成功したように見えたが、後続が続かず１点止まりだったのが響いた。

　ソフトバンク打線は、まるでシート打撃のように力みなくバットを振れていた。近藤の初回の勝ち越し２ランは、右足首を痛めていたと思えないスイングだった。２試合連続となる山川の２発もさすがの一言だ。

　日本ハムは清宮ら若い左打者がモイネロに食らいつていたが、好機であと１本が出なかった。だが、大差がついても、あきらめない打席の姿勢に感心させられた。土俵際の次戦で、どういう野球をするか楽しみだ。（スポーツ報知評論家・安藤統男）