大谷翔平、３打席連続の四球 日本人初のＰＳ先頭打者弾から勝負してもらえずも…１番として４打席で４得点

◆米大リーグ　ナ・リーグ優勝決定シリーズ　メッツ―ドジャース（１７日、米ニューヨーク州ニューヨーク＝シティフィールド）

　ドジャース・大谷翔平投手（３０）が１７日（日本時間１８日）、４戦先勝のリーグ優勝決定シリーズ第４戦、敵地・メッツ戦に「１番・ＤＨ」で先発出場。３点リードの６回１死の第４打席は２番手右腕・ブットから四球で出塁した。第２打席から３打席連続で勝負を避けられた。その後、２番・ベッツの２ランでホームを踏み、４打席で４得点とした。

　“呪い”が解けたのは０―０の初回先頭の第１打席だった。１ボールからの２球目、９０・８マイル（約１４６・１キロ）シンカーを捉えた。打球速度１１７・８マイル（約１８９・６キロ）、打球角度２２度、飛距離４２２フィート（約１２８・６メートル）で右中間の敵軍ブルペンに飛び込んだ。メッツ先発はベテラン左腕のＪ・キンタナ投手（３５）。大谷はこれまで対戦経験はなかったが、今季５年ぶりに２ケタ勝利（１０勝）を挙げた好投手を初対戦で攻略し、ド軍先発の山本由伸投手（２６）をいきなり援護する２試合連発の３号先制ソロだ。ポストシーズン（ＰＳ）での日本人選手の先頭打者アーチは史上初。３本塁打は田口壮（カージナルス）を超えて日本人単独２位となった。

　メジャー７年目で初出場のＰＳでは、パドレスとの地区シリーズからこの日まで走者なしの場面で２２打数無安打（３四球）だったが、２６打席目で生まれた初安打がホームランとなった。１６日（同１７日）時点で得点圏では６打数５安打の打率８割３分３厘、走者ありでは９打数７安打の７割７分８厘と無双状態の中、なぜか続いていた怪現象に終止符を打っていた。前日１６日（同１７日）の第３戦では、４点リードの８回１死一、二塁で右翼２階席へ７試合ぶりのダメ押し３ラン。特大アーチで敵地の戦意を喪失させていたが、この一発から再び勢いに乗ってきた。

　この日、３回１死の第２打席は四球を選ぶと、その後二塁からエドマンの左中間への適時二塁打で勝ち越しの生還。１点リードの４回１死一塁の第３打席も四球を選び、ベッツの左翼線二塁打で一塁から本塁まで激走。３打席連続で出塁＆生還を果たしていた。

　大谷はレギュラーシーズンでは５４本塁打、１３０打点で２冠に輝き、打率３割１分、５９盗塁はリーグ２位と圧巻の成績を残した。今シリーズ第３戦前日の１５日（同１６日）の会見では、米メディアから“打撃不振”に関する質問も飛び交ったが、「感覚自体は悪くないと思っている」と明かしていた。リーグ優勝決定シリーズはここまで２勝１敗。ワールドシリーズ進出に王手をかけられるかどうかの一戦でも改めて存在感を示している。