妻は美容院に…助っ人４番の前夜Ｖ弾再現でＤｅＮＡ３位から全勝突破王手

４回無死、同点ソロ本塁打を放ったオースティン（カメラ・佐々木　清勝）

◆２０２４　ＪＥＲＡ　クライマックスシリーズ　セ・ファイナルステージ　第３戦　巨人１―２ＤｅＮＡ（１８日・東京ドーム）

　前夜のリプレーのような一発でタイラー・オースティン内野手（３３）が、３連勝への道を切り開いた。１点を追う４回先頭で、グリフィンの投げた外角高め、１４６キロ直球を捉えて、右翼席へ２戦連発の２号同点ソロ。１７日の第２戦の７回先頭で、菅野が投じた外角高め、１５０キロのツーシームをはじき返した１号決勝ソロと酷似した弾道だった。

　「基本的に右中間に強い打球を打てる時は状態がいい。２本とも同じようないい打撃ができたね」とうなずいた主砲。前日同様、巨人に与えたダメージも計り知れない。１７日は６回に岡本和が同点打を放った直後で、この日も２回に岡本和のソロで挙げた１点を追う場面。４番としての強烈な対抗心を示した。

　来日５年目の今季は１０６試合に出場して、打率３割１分６厘をマークし、初の首位打者に輝いた。右肘を手術した２２年は３８試合、右肩にメスを入れた昨年は２２試合の出場にとどまり、不完全燃焼。今季も４月に右太もも裏の肉離れで戦線離脱するなど故障はあったが、大事には至らず、規定打席に到達した。

　１７日に観戦した妻でモデルのステファニー・ダナさんは、この日は来場せず。「美容院の予約の方が大事だから」とオースティンは笑ったが、試合後、「ハイライト映像で見たわよ！」と愛のメッセージが届いた。

　ＣＳ第１Ｓからの全勝突破は、日本一に輝いた０７年の中日だけ。快挙に残り１勝とした三浦監督は「あすに向けてしっかり準備をしたい」と冷静だった。リーグ３位からのスーパー下克上を成し遂げるため、ＣＳ突破を一気に決める。（阿見　俊輔）

　◆記録メモ

　ＤｅＮＡが初戦から３連勝。巨人に１勝のアドバンテージを含め、対戦成績を３勝１敗として日本シリーズ進出に王手をかけた。７３～８２年パのプレーオフ（ＰＯ）を含め、シリーズ出場をかけたＰＯとＣＳで先に王手をかけた延べ４５チームのうち、今年のソフトバンクまで４２チームが進出。４勝先勝制となった０８年以降、今年のように２勝１敗から王手をかけたケースでは、過去１０チーム中の８チームがシリーズに出場している。