【駅ペン】ブレイクスルーは突然やってくる
スポーツ報知 / 2024年10月19日 5時30分
◆報知新聞社後援 第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)予選会(19日、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地スタート~立川市街地~国営昭和記念公園ゴール=21・0975キロ)
昭和の最後から平成の最初の頃。東洋大時代に4年連続で箱根駅伝予選会を走った。上位10人の合計タイムで争うことは同じだが、当時、距離は20キロで出場枠は6校。「10時間35分なら通過」と言われていた。実際、私が1年時の1988年は10時間36分13秒で3位、2年時の89年は10時間36分45秒で6位、3年時の90年は10時間34分59秒で4位。いずれも無事に通過した。
それから三十数年。距離がハーフマラソン(21・0975キロ)となった令和の今、多くの監督が「10時間35分なら通過できる」と口をそろえる。つまり、当時より1人平均1・1キロ分の約3分20秒、速くなった計算だ。
コロナ禍の影響で、平たんな陸上自衛隊立川駐屯地内周回コースで行われた20年の予選会では、通過ラインが10時間33分59秒(10位・専大)まで上がったが、終盤に起伏がある現行コースでは最速の通過ラインは昨年の10時間39分47秒(13位・山梨学院大)。前回は記念大会で出場枠が3増。10位(東海大)が10時間37分58秒だったことを考えれば、今回、気象条件に恵まれても10時間35分なら落選の危険はほぼないだろう。
しかし、何が起こるか分からないのが予選会だ。
再び、私の昔話で恐縮だが4年時の91年、東洋大は10時間31分24秒だったが、7位で落選した。前年なら4位通過、前々年ならトップ通過に該当するタイムだった。当時の「落選の最速タイム」だったが、それは何の意味もない。33年たった今も「落選」という事実に気持ちはへこむ。
ブレイクスルー。大きな進歩は突然、やってくる。「このタイムでも落ちるのか…」。そんな厳しくも、スリリングなレースを期待したい。(竹内 達朗)
◆僅差の明暗 06年、実際の走破タイムで7位だった拓大は当時、採用されていた関東インカレポイントの減算タイムで城西大、大東大、国士舘大に逆転され、次点の10位に急落。9位の国士舘大との差は1秒。1人平均わずか0.1秒差に泣いた。前回、明暗を分けた13位の山梨学院大と14位の東京国際大は3秒差。歴代2位の僅差だった。16年、11位の中大は10位の日大と44秒差、当時歴代10位の僅差で88大会ぶりに本戦出場を逃した。
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