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坂本勇人ナインの闘志に火をつけた魂のヘッスラ 12年ミラクル突破経験した男の「こっから行くで」

スポーツ報知 / 2024年10月20日 5時30分

7回1死一、三塁、岸田行倫のセーフティースクイズで生還する坂本勇人(カメラ・宮崎 亮太)

◆2024 JERA クライマックスシリーズ セ・ファイナルステージ 第4戦 巨人4―1DeNA(19日・東京ドーム)

 負ければ終わり。遠かった1点をもぎ取るため、坂本勇人内野手(35)が飛んだ。ホームベースにヘッドスライディングで突っ込んだ。際どいクロスプレー。視線は地面に向いていても、大歓声が判定を教えてくれる。土まみれとなったクールな男が右手で3度、地面をたたいた。「それが一番速いと思ったので行きました」。1イニング2度目のヘッドスライディングで生還した背番号6の気迫が、ナインの闘志に火をつけた。

 岸田「厳しい戦いが続いている。少ないチャンスでああいう走塁が出ればチームも乗ってきます」

 中山「もっと気持ちを前面に出してプレーしようという気持ちになりました」

 岡本和「僕たちもそういう気持ちで戦っている」

 技術も詰まっていた。1―1の7回1死一、三塁。岸田のセーフティースクイズが小飛球となって一塁方向へ飛んだ瞬間に迷わず、スタートを切った。捕手・戸柱の立ち位置を視界に捉えて走路を約1足分、右寄りに微調整。体の左からのタッチをかいくぐり、左手の指先で本塁の左端に触れた。二岡ヘッドは「いい走塁でした」と目を細めた。

 バットでも集中力は研ぎ澄まされていた。2回2死からチーム初安打を左前へ。7回にも高めに浮いたチェンジアップを再び左前へ運ぶと、続く中山の右前安打で三塁へ頭から突っ込んだ。初戦、2戦目は計7打数1安打で前日18日の3戦目はベンチスタート。鳴りを潜めていた本来の勝負強さを、「勝つしかないと臨みました」と土壇場で発揮した。

 12年のCS最終Sは、1勝3敗から3連勝で突破。流れを変えた第4戦で、決勝の二塁打を放ったのが坂本だった。当時と同じく、土俵際に追い込まれた18日の試合後。「こっから行くで!」と球場を後にした。12年前の体験があるから、下を向くことはなかった。

 当時は高卒6年目。17日の試合前の円陣で声を張った。「監督も言ってますけど『ブリブリいけ』と。特に若い選手、失うものはないと思うんでチャレンジャーの気持ちでいこう」。残り2戦。背番号6が執念で、奇跡の扉に手をかけた。(内田 拓希)

記録メモ 巨人は7回の岸田のスクイズが決勝点。プレーオフ、CSでスクイズによる決勝点は、80年〈2〉戦マニエル(近鉄)、12年第1S〈1〉戦今宮(ソ)、14年第1S〈1〉戦と、16年最終S〈5〉戦の中島(日)に次いで5度目。セでは初になる。ほかに、19年最終S〈4〉戦で6回2死から、丸(巨)がセーフティーバントによる安打で勝利打点を挙げている。

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