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【高校野球】釧路江南が18年ぶり8強 楓川瑛太が大会直前他界の祖父に捧げるサヨナラ打

スポーツ報知 / 2024年10月20日 6時30分

サヨナラ打を放ち仲間から祝福される釧路江南・楓川(右から3人目)

◆秋季全道高校野球大会 ▽2回戦 釧路江南2x―1遠軽(19日・プレド)

 2回戦3試合が行われ、準々決勝進出の8校が出そろった。釧路江南は遠軽との公立校対決を制し、18年ぶりの8強入り。楓川(もみじがわ)卓也監督(50)の長男で、大会前に祖父が他界した1番・楓川瑛太捕手(2年)が、9回に劇的なサヨナラ打を放った。

 釧路江南・楓川が亡き祖父に捧げるサヨナラ打で18年ぶりの8強に導いた。同点の9回1死満塁。心は熱く、頭は冷静にバットを握った。「前のバッターがデッドボールで、内角は投げづらいだろうなと。外は得意なので、待っていたらきれいにバットが出ました」。1ボールからの外角直球を左中間にはじき返し、右拳を力強く握った。

 楓川監督の父である祖父・博さんが、釧根地区予選中の10月5日に大腸がんで他界した。瑛太が父から知らされたのは6日の代表決定戦後。甲子園につながる全道大会直前ということもあり、神奈川県で行われた葬儀に参列することはできなかったが「頭の片隅にはずっと(祖父への)思いがありました」。顔を合わせるのは年1回程度だが、幼い頃から野球を応援し続けてくれた「大好きなおじいちゃん」。感謝の気持ちをバットに乗せ、聖地に前進する会心の一打を放った。

 9回を迎えるまで、この日は4打数無安打3三振。息子にアドバイスすることなく最後の打席に送り出した指揮官は「僕が(声を)かけると、ろくなことがない。彼の形で行かせたいと思って、それがいい形になった。(祖父が)今日もどこかで後押ししてくれたのかな」と博さんの姿を思い浮かべるように遠くを見つめた。

 昨秋は地区で敗れた別海が4強入りし、21世紀枠でセンバツ出場。中学時代のチームメートが甲子園でプレーする姿を複雑な気持ちで見つめ「(別海が甲子園出場を)決めたときはすごく悔しかった。次は自分たちの番」と背番号2。夢舞台への切符をつかむために、そして祖父の墓前で全道制覇を報告するために、まだまだ勝ち続ける。

(島山 知房)

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