「今が一番いい状態」25歳の即戦力左腕 ホンダ・片山皓心 乗り越えた2度の手術…ドラフト逸材紹介(2)
スポーツ報知 / 2024年10月21日 6時0分
24日にプロ野球のドラフト会議が行われる。スポーツ報知では「本紙選定 個性派ドラフト候Ho!」と題して“推し”選手を取り上げる。第2回は最速148キロを誇るホンダの片山皓心(ひろみ)投手(25)。2度の手術を乗り越えた遅咲き左腕を紹介する。
「枕詞(まくらことば)」を辞書で引くと「前置きの言葉」とある。
21年秋。最速148キロのルーキー左腕・片山皓心を語る際には「来秋ドラフト上位候補」という前置きがあった。「あの時は『絶対プロに行く』という思いでいました。今は正直そこまで気にしていません。プロはご縁の世界なので」。2度の左肘の手術から不死鳥のごとくよみがえり、運命の日を迎えようとしている。
遅咲きだ。茨城の公立進学校・日立一では控え投手。最速133キロのサウスポーは好投手育成に定評のある桐蔭横浜大に進学後、頭角を現す。4年秋の神奈川大学リーグで6勝1敗、防御率1・39と活躍。続く横浜市長杯では3連投で優勝に貢献。MVPと最優秀投手に輝いた。ホンダに入社1年目、夏の日本選手権準決勝・大阪ガス戦(京セラD)では8回まで無失点の快投。9回に崩れ、敗れはしたが、先発型左腕としてプロの評価は高まっていった。
だが21年12月と23年5月、2度の左肘手術を経て、約2年半も実戦マウンドから離れた。苦しいリハビリの日々。前を向けたのは周囲の励ましがあったからだ。才能を見いだした日立一時代の恩師・中山顕監督は「復活することだけを考えて頑張れ」と心を熱くしてくれた。今年4月、公式戦復帰。10月1日の東京都企業秋季大会・東京ガス戦(大田)ではスカウト陣が見守る中、7回無失点の快投。完治した姿を披露できた。「肘は大丈夫。全く問題ないです」と胸を張る。
31日で26歳。プロ入りの適齢期は過ぎた。だが27歳の日本ハム・武田勝(現オイシックスコーチ)や26歳の巨人・船迫大雅らオールドルーキーの成功例は少なくない。「投手として今が一番いい状態です」と片山。枕詞はもうない。先発の即戦力として確かな実力を備えた男は静かに、指名の瞬間を待つ。(加藤 弘士)
◆片山 皓心(かたやま・ひろみ)1998年10月31日、茨城・ひたちなか市生まれ。25歳。勝田スポーツ少年団で野球を始め、勝田一中でも軟式。日立一では2年夏のみ背番号1も甲子園出場なし。桐蔭横浜大で4年秋に最優秀投手。横浜市長杯Vの原動力に。ホンダでは1年目の21年東京大会新人賞&日本選手権優秀賞。好きな芸能人はチャンス大城。175センチ、84キロ。左投左打。
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