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阿部巨人の強さ凝縮された「あの2つ」…DeNAの「ゴロゴー」阻止した門脇と”守備職人”も絶賛する増田大の神業

スポーツ報知 / 2024年10月21日 5時15分

7回1死三塁、森敬の遊ゴロを門脇が好捕(カメラ・宮崎 亮太)

◆2024 JERA クライマックスシリーズ セ・ファイナルステージ 第5戦 巨人1―0DeNA(20日・東京ドーム)

 巨人が崖っぷちで守り勝つ野球を体現した。1点リードの7回、オコエの後逸で1死三塁となったが、前進守備の遊撃・門脇が好捕&好送球で三塁走者の生還を阻止した。8回無死一塁では、三塁の増田大がバントに猛チャージをかけ併殺とし、阿部慎之助監督(45)は「あの2つで勝ったようなもの」と絶賛した。投手陣は7回途中無失点の山崎伊織投手(26)から3連投の大勢まで無失点でつなぎ、CSでは球団初の1―0完封を達成した。

 守り勝った。阿部監督は試合後に「あの2つで勝ったようなものなので。素晴らしかったです」と総括した。1―0の7、8回に飛び出した門脇、増田大の超美技。リーグ最少のチーム58失策とV奪回の土台となった強固な守備で、虎の子の1点を死守した。

 まずは門脇だ。7回1死三塁で二遊間への強烈なゴロを、滑りながらショートバウンドで好捕。素早く反転しながら岸田のミットへストライク送球を収めた。「1プレーで大きな歓声が上がる。それを聞くと気持ちも入りますし、自然なガッツポーズが出たり。特別だなと思います」。普段はクールな男が右拳を突き上げ、雄たけびを上げた。

 DeNA・桑原の左前打をオコエが後逸(記録は三塁打)し、1死三塁となった直後。絶対に点を奪われてはならない状況で、振り向きざまの送球でなければ間に合わない極限のプレーだった。DeNA側が三塁走者がゴロが転がった瞬間にスタートする「ゴロゴー」を仕掛けてくることも想定済み。川相内野守備コーチは「素晴らしかったとしか言いようがない。紙一重のプレー」と絶賛した。

 今季は「気持ちの面で弱さがあった」とリーグで3番目に多い16失策。公式戦終了後の約2週間は「それを忘れるくらい」と守備練習に重点を置いてきた。直後に岸田が二盗を刺してピンチを脱出。好守連発に東京Dのボルテージは最高潮に達した。

 2つ目のビッグプレーは7回の代走から三塁の守備に入った増田大だ。8回無死一塁、代打・蝦名がバントで投手方向に転がしたゴロに猛チャージ。「この辺に転がったら絶対に行こうと準備していた」と素早く二塁へ送球し、併殺を完成させた。シーズン中も途中出場がメインの守備職人は「亀井さんに(シーズン終盤に)『スーパーサブのレギュラーだ』と言ってもらったのがうれしかった」と役目を全うした。

 「本当に練習でやってたことが試合に出た。明日、絶対勝ちます」と門脇。阿部巨人の強みが凝縮された逆王手だった。(内田 拓希)

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