【菊花賞】アーバンシックが春の悔しさ晴らすG1初制覇 激しい先行争いもルメール騎手は冷静タクト「道中で息を入れることもできた」
スポーツ報知 / 2024年10月21日 6時5分
◆第85回菊花賞・G1(10月20日、京都競馬場・芝3000メートル、良)
第85回菊花賞・G1(芝3000メートル)は20日、京都競馬場で行われ、単勝2番人気のアーバンシックがG1初制覇。春のクラシック2戦で〈4〉〈11〉着に敗れた悔しさをラスト1冠で晴らした。クリストフ・ルメール騎手(45)=栗東・フリー=は昨年のドゥレッツァに続く連覇。秋華賞のチェルヴィニアに続く2週連続のG1勝利となった。日本ダービー1着から5か月ぶりの直行で臨んだ1番人気のダノンデサイルは6着だった。
淀の西日を浴び、金色に輝く栗毛の馬体が躍動した。最後の直線。残り200メートル付近で先頭に立ったアーバンシックが、馬場の真ん中を勇ましく伸びて菊の大輪を咲かせた。「道中はずっと冷静に走ってくれていたし、だんだんペースアップした時に勝てると思った」とルメール。皐月賞4着、日本ダービー11着に終わった春の悔しさをラスト1冠で晴らした。
さすがの手綱さばきだった。エコロヴァルツの逃げで“開幕”したが、1周目のスタンド前でハナに立とうとしたメイショウタバルに、折り合いを欠いたピースワンデュックが絡むなど出入りの激しい展開に。だが、そんな激しい先行争いを尻目に、ルメールとアーバンシックはリズムを崩さず中団を追走した。
「スタートは遅かったけど、ポジションを上げることができたし、ずっといい感じ。道中で息を入れることもできた」。京都名物の3角にある下り坂。勝負どころでアドマイヤテラの武豊が仕掛けて外を進出していくのを確認すると、素早く反応。ぴたりとマークして直線で競り落とした。
結果的に前走でルメールが手綱を執っていた馬が1~3着を独占。「前走に乗った馬が4頭いて、アーバンシックを選んだ。プレッシャーはありました」。ライバルの能力を把握できていたアドバンテージも存分に生かした。
秋華賞のチェルヴィニアに続く2週連続G1勝利を飾り、昨年のドゥレッツァに続く菊連覇。開業11年目の武井調教師にもG1初勝利をプレゼントした。「先生もすごく喜んでいたし、僕もうれしかった。僕はG1を50個以上勝っているけどね」といたずらっぽく笑ったルメール。「ポルシェのカイエン。体もストライドも大きくて、パワーがある」と評したアーバンシックとの未来は、明るい光が照らしている。(戸田 和彦)
◆アーバンシック 父スワーヴリチャード、母エッジースタイル(父ハービンジャー)。美浦・武井亮厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は7戦4勝。主な勝ち鞍は24年セントライト記念・G2。総獲得賞金は3億5044万8000円。馬主は(有)シルクレーシング。
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