【高校野球】聖光学院が7年ぶり2度目の優勝…今大会打率5割の4番・竹内啓汰主将が猛打賞
スポーツ報知 / 2024年10月21日 6時30分
◆秋季高校野球東北大会▽決勝 聖光学院3―2青森山田(20日・ヨークいわき)
決勝で聖光学院(福島)が青森山田(青森)に3―2で競り勝ち、7年ぶり2度目の優勝を飾った。2点を先制されながらすぐに追いつき、7回に勝ち越すとそのまま逃げ切った。竹内啓汰主将(2年)のもと、全試合を我慢強く戦い抜いて頂点をつかんだ。聖光学院は東北地区代表として明治神宮大会(11月20日から6日間、神宮)に出場し、1回戦(20日)で近畿地区代表と対戦する。
うれし涙で潤んだ聖光学院・竹内主将の瞳に映ったのは、満面の笑みで喜ぶ客席のチームメートだった。7年ぶりとなる秋の東北王者に「横山(博英)部長から、これまで5度決勝で負けていることなどを話していただいていた。それを覆すためにもチーム力で勝つと思っていた」。客席へあいさつ後、感極まってうずくまった竹内に駆け寄った横山部長から「ありがとな」と言われてまた涙。その後部長にうながされ、顔を上げた先にいた仲間たちの笑顔を目に焼きつけて「控えとかメンバーとか関係ないな、と思いました」と語った。
青森山田は甲子園経験者がスタメンに6人名を連ねるなど、経験豊富な選手がそろう。そんな相手に初回いきなり2点を先制されたが、竹内の一振りで反撃ののろしを上げた。2回の先頭打者で中前打を放ち、その後内野安打と送球の乱れ(記録は重盗)で同点。7回は先頭打者がセーフティーバントで出塁し、その後1死一、三塁から3番・菊地政善一塁手(2年)の左前適時打で勝ち越した。適時打ゼロで勝利した準々決勝・仙台育英戦のように相手の隙を逃さなかった。
竹内はこの日5打数3安打、大会通算14打数7安打の打率5割と打線をけん引。チーム始動当初は「一方的に伝えてしまって思いが伝わらず、苦しかったことも多かった」と苦悩した。だがときには1対1で膝をつき合わせ、思いを伝えて意見を聞き、絆を深めてきた。斎藤智也監督(61)も「チームの完成度、我慢強さがいつもより早いのは竹内のおかげだね」とたたえた。
目標としていた明治神宮大会出場を決め、竹内は「目指してきた場所に挑戦できるのはうれしい」。7年前は初戦敗退。今度は神宮初勝利を目指し、再びチーム一丸となって突き進んでいく。(有吉 広紀)
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