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クラークが初の8強入り…道大谷室蘭に0-2から追いつきPKで逆転勝利…サッカー全国高校選手権北海道大会

スポーツ報知 / 2024年10月21日 7時11分

PK戦で勝利したクラークの選手らは、抱き合いながら喜びを爆発させた(カメラ・砂田 秀人)

◆サッカー◇全国高校選手権北海道大会 ▽2回戦 クラーク2-2(PK5-4)道大谷室蘭(20日・函館フットボールパークほか)

 2回戦8試合が行われ、2年連続2度目出場のクラークが、道内最多となる30度の全国出場を数える道大谷室蘭を破り、初の8強入りを果たした。後半9分までに2点リードを許すも、2―2に追いつき、迎えたPK戦でGK対馬孝介(3年)が2本を止めて難敵を撃破した。

 歓喜の輪の中で、涙と笑顔が交錯した。PK戦6人目、GK対馬が左に跳んでセーブした瞬間、クラーク初の8強入りが決まった。ベンチからも選手やスタッフが駆け出して大きな塊となった中央で、殊勲の守護神は「最後まで仲間を信じた結果」と破顔した。

 強豪・道大谷室蘭に序盤から押し込まれ、後半9分までに2点のリードを許した。MF山田遥斗主将(3年)は「今まで2点差をひっくり返したことはなかったので。正直、厳しいのかなとも思った」と下を向きかけたが、皆が伊藤壇監督(48)の言葉を思い返した。「受け身じゃなく、最後までアグレッシブに戦おう」。攻めの姿勢を貫き、追い付き、劇的勝利につなげた。

 鍛え抜いた走力が生きた。選手権に備えて、毎週水曜、ただ走るだけの日を設けた。札幌市内にあるモエレ山の242段の階段10往復と、52メートルの山を5本、ダッシュする。対馬が「みんなその日は…って感じ」と思い出したくもない時を乗り越え、終盤で走り負けることはなくなった。この試合でも1対1で互角以上の戦いを最後まで続けられたことで、ビハインドをはね返した。

 この日、宿舎を出る直前に過去の試合などを編集した映像を全員で見た。山田主将は「高校最後の試合で、お世話になった人へ感謝の気持ちを伝えたいと思った。一体感も出た」と感極まったように、皆が勝利への思いをひとつにして戦った。

 昨年は創部4年目で道大会初出場し1勝。今年は2勝目を挙げた。階段を一歩ずつ上っているが、伊藤監督は「もちろん全国は目指しているが、最初からそこではなく一個一個」と強調した。決して浮かれず、21日の北海戦だけに照準を合わせていく。(砂田 秀人)

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