「戦うチームとしては覇気が足りない」OG指摘に燃えた!立命大9年ぶりV「誰一人諦めなかった」…全日本大学女子駅伝
スポーツ報知 / 2024年10月28日 6時35分
◆報知新聞社後援 ▽第42回全日本大学女子駅伝対校選手権(27日、弘進ゴムアスリートパーク仙台発着=6区間38・0キロ)
立命大が2時間3分3秒の大会新記録で9年ぶり、史上最多11度目の優勝を飾った。2区の山本釉未(ゆうみ、1年)が区間新で首位に押し上げると、3区のエースで主将・村松灯(とも、4年)も区間新。最後までリードを守った。2015年の5連覇から優勝が遠ざかっていた名門が名城大の8連覇を阻止し、復活を遂げた。1分3秒差の2位には大東大が入り、3位は城西大。名城大、東北福祉大、大阪学院大、拓大、筑波大までの上位8校が来年の出場権を得た。(晴れ、21・5度、湿度62%、南の風3・8メートル=スタート時)
秋晴れの杜(もり)の都で、名門が復活を告げるゴールテープを切った。立命大のアンカー・土屋舞琴(まこと、3年)は指で1を作り、9年ぶりに首位でフィニッシュ。村松主将は「実感が湧かないくらいうれしい。本当に幸せ」と歓喜の輪の真ん中で、満開の笑顔を浮かべた。
各選手が役割を果たした。1区の太田咲雪(さゆき、2年)が区間2位の区間新でリズムを作ると、2、3区に並べた山本と村松も区間新。独走態勢を作った。エース区間の5区で大東大の留学生、サラ・ワンジル(2年)に19秒差まで縮められたが、首位は譲らない。粘り強くタスキをつなぎ、杉村憲一監督は「前半でリードを広げ後半は粘りに粘る。全員が力を出した結果です」と胸を張った。
15年の5連覇後は、優勝には届かなかった。その間表彰台は6度。その一歩を埋めるため、8月の長野・湯ノ丸合宿でチーム全員を集めて「なぜ勝ちたいか」を問うた。村松は「自分が憧れたのは強い立命館。強いチームにしたい」と熱弁。「この1年、私自身もチームも一番優勝したいという思いが強かった」と中地こころ(4年)も続いた。全員が同じ方向を向くきっかけになった。
歴史を刻んできたOGからも背中を押してもらった。15年に5連覇を達成したOGから「本当に優勝したいと思ってやっていたときのチームは、みんなの思いが強かった。戦うチームとしては覇気が足りない」と指摘されたという。村松は昨年主将に就くと、睡眠時間など生活面から意識を高く持つよう指摘し続け、目指していた「競い合えるチーム」に変えた。
チーム力の底上げを図ってきたことが報われ、「誰一人諦めることなく優勝を目指してきたから目標を達成できた」と村松。立命大が名門の輝きを取り戻した。(手島 莉子)
◆立命大 1922年創立。キャンパス所在地は京都市、草津市ほか。女子陸上競技部は92年創部。全日本大学女子駅伝は90年の初出場から35大会連続出場。2011年から5連覇を果たすなど最多11度の優勝。主なOGは加納由理(元資生堂)、小島一恵(元豊田自動織機)ら。
◆名城大4位 8連覇逃す
〇…名城大は史上最多を更新する8連覇を狙ったが、4位に終わった。1区の米沢奈々香(3年)が9位と序盤から出遅れ、区間賞もいないまさかの展開。米沢は「自分のせいで負けてしまった。この悔しさは来年につなげたい」と涙ながらに誓った。連覇は7で待ったが、米田勝朗監督(56)は「この負けを学生たちがどう力に変えていくか。もう一度、日本一を取り返すっていう気持ちに学生たちがなってくれれば、この負けは大きい」と今後に期待した。
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