【高校サッカー】山梨学院が2大会ぶり10度目の全国切符…FW小河原瑛太が入魂決勝ヘッド…負傷欠場した主将との約束「逞人(たくと)を全国に連れていきたかった」
スポーツ報知 / 2024年11月9日 16時0分
◆第103回全国高校サッカー選手権山梨県大会 ▽決勝 山梨学院2―1東海大甲府(9日・JITリサイクルインクスタジアム)
山梨学院が決勝で東海大甲府を2―1で下し、2大会ぶり10度目の全国選手権(12月28日開幕)の出場を決めた。前半15分、FWオノボフランシス日華(2年)が先制弾。後半3分には1点返されたが、同28分、途中出場のFW小河原瑛太(3年)がヘディングで決勝点を決めた。
小河原は、執念を自らの頭部に集中させて跳躍した。DF鈴木琉斗(3年)からのクロス。思い切って飛び込むと相手DFに競り勝ち、ゴールに叩き込んだ。今大会5得点中3得点がヘディング。「小学生の頃から自信があるので」。身長175センチと決して大きくはないが、ジャンプ力と思い切りの良さで磨いてきた武器で勝負を決めた。
両手を広げ、真っ先に駆け寄ったのはベンチ裏で、松葉杖をつきながら見守っていた主将のMF山田逞人(たくと、3年)のところだった。「点を取ったら行くから、と試合前に約束していました。有言実行できて良かったです」と息を弾ませた。
チームの精神的支柱である山田は、県大会初戦当日の試合前練習で、左足甲の側面を骨折。まさかのアクシデントを山田は「だいぶショックでした」と振り返る。しかし、自分が暗くなっていてはチームは勝てない。骨折が判明した翌日からは気持ちを切り替え、明るく仲間たちを応援することにした。その振る舞いには岩永将監督も「さすがキャプテン」と感心した。
「逞人を全国に連れて行こう」と逆にチームは一つにまとまった。患部にボルトを入れる手術を終え、リハビリに励む主将は、ベンチの裏で誰よりも声を出してイレブンを鼓舞した。「少しでも運を引き寄せたかった」。その強い念は、ピッチ全域に伝わり、勝利をたぐり寄せた。記念写真の中央には、トロフィーを抱いた山田がいた。
選手権の開幕には、なんとか復帰できる見通しだ。「約束どおり全国へ連れて行ってくれて感謝しかない」と山田。1年生の頃からの夢だった日本一をかなえるため「少しでも走る背中を見せたい」と仲間たちへの恩返しを誓った。
(甲斐 毅彦)
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