序盤2敗で新大関Vは過去0人 大の里、師匠と同じ4日目で初黒星「また切り替えて頑張る」
スポーツ報知 / 2024年11月14日 5時30分
◆大相撲 ▽九州場所4日目(13日・福岡国際センター)
新大関・大の里が初黒星を喫した。追い込んだ土俵際で東前頭3枚目・阿炎のすくい投げに屈し、不覚を取った。阿炎には先場所に続き、苦杯をなめる結果になった。豊昇龍は西前頭2枚目・宇良を上手投げで下し、大関陣で唯一の無傷4連勝を飾った。大関・琴桜は東前頭2枚目・若隆景を寄り切りで退け、3勝目。4連勝は豊昇龍と平幕の熱海富士、隆の勝、阿武剋の4人となった。
満員の館内を包んでいた歓声が悲鳴に変わった。大の里は、阿炎の右のど輪に上体が浮き、下からあてがって構わず前進したが出足が伴わない。左おっつけが甘く、攻め急いだ土俵際、右すくい投げに192センチ、182キロの巨体は転がされた。阿炎には先場所千秋楽に続く連敗で、新大関として初黒星に唇をかみしめ、花道へ。「また切り替えて頑張る。しっかり集中して」と厳しい表情で言葉をつないだ。
新大関4日目での初黒星は12年初場所の師匠・二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)とくしくも同じ。同親方は11勝4敗で終えた。まだ4日目とはいえ、5日目に連敗すれば、新大関優勝はデータ上厳しくなる。現行の1場所15日制が定着した1949年5月場所以降、新大関Vは白鵬ら5人。いずれも序盤の5日目まで4勝1敗以上で切り抜けた。迎える5日目は、無傷4連勝と好調の熱海富士戦。先場所の初日、物言いの末に白星をもぎ取った相手で気は抜けない。大の里は「また明日から」と自らに言い聞かせるように繰り返した。
関脇までとは違い、大関として挑戦者を迎え撃つ重圧は想像以上だ。また、10月の秋巡業は体調不良で途中離脱し、場所前から急ピッチで仕上げざるを得なかった。複数の要因が重なってか、3日目の正代戦以外は右差しから圧倒する得意の形が見られず、苦戦している。
幕内後半戦の高田川審判長(元関脇・安芸乃島)は「先場所の残像が残っていたと思う。早く仕切って、早く立とうとしていた」と気持ちの焦りを指摘。八角理事長(元横綱・北勝海)は「今は相撲の厳しさを覚えているところ。引きずらないこと」と修正を求めた。「一番一番、集中するだけ」と新大関。看板力士としての真価が問われる。(山田 豊)
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