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若隆景が2場所連続の“怪物撃破” 昨春右膝前十字じん帯手術から復活

スポーツ報知 / 2024年11月16日 6時30分

若隆景(左)が押し出しで大の里を破る(カメラ・池内 雅彦)

◆大相撲九州場所6日目(15日・福岡国際センター)

 東前頭2枚目・若隆景が新大関・大の里に押し出しで快勝し、2場所連続の“怪物撃破”をやってのけた。優勝経験のある元関脇の実力者だが、右膝の大けがで一時は幕下に転落。久々に戻ってきた幕内上位で、優勝戦線をかき回していく。大関・豊昇龍は西前頭3枚目・熱海富士の勇み足で無傷6連勝。全勝は平幕の阿武剋(おうのかつ)を加えた2人となった。1敗で大関・琴桜、平幕の隆の勝、御嶽海、豪ノ山が続く。

 万雷の拍手の中、若隆景はかみしめるように懸賞の束を受け取った。大の里得意の右差しを、低く鋭い当たりと左おっつけで封じた。自身よりも50キロ近く重い新大関のあてがいながらの攻勢にも引かず。逆に相手が引いたところをスピードで一気に押し出した。「前に出られたことは良かった。明日からもこういう相撲を取っていきたい」と納得の表情で振り返った。12勝を挙げて殊勲賞を獲得した先場所に続く連破で対戦成績を2戦2勝とし、“大の里キラー”に名乗りを上げた。

 若隆景は昨年春場所で右膝前十字じん帯を損傷して手術。3場所連続で全休を余儀なくされ、同年九州場所に幕下で土俵復帰を果たした。今年の春場所で再十両、名古屋場所で再入幕。土俵に戻ってちょうど1年の今場所は東前頭2枚目の上位総当たりの番付まで戻してきた。そして22年九州場所以来、2年ぶりの結びの土俵で大関を撃破。大歓声を受けて上位に戻ってきた実感があるかを問われると「そういうところもある」と、多くを語らない仕事人は喜びをかみしめた。

 22年春場所で初優勝をし、大関候補にも名乗りを上げた実力者が今場所も優勝候補を撃破。2日目の取組後に九重審判長(元大関・千代大海)は「重さとスピード、それと相手に相撲を取らせない技術もある。大の里を倒す材料はそろっている」と“大の里キラー”に指名しており、その期待に応えてみせた。3大関戦を終えて、ここまで2敗と優勝の可能性も十分にある。「楽しみながら一日一番取っていきたい」。さらなる上位食いで優勝戦線をかき乱す。(大西 健太)

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