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【侍ジャパン】巨人・大勢、難病で手術したWBC共闘右腕への思い「リハビリのモチベーションになることができるように」

スポーツ報知 / 2024年11月16日 5時0分

9回を締めた大勢(中央後方)。国際試合初セーブを挙げ、笑顔を見せた(カメラ・中島 傑)

◆ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12 1次リーグB組 日本6―3韓国(15日・台北ドーム)

 「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」の1次リーグ(L)第2戦は台湾で行われ、侍ジャパンが宿敵・韓国を下して開幕2連勝を飾った。巨人・大勢投手(25)が9回に4番手で登板して1回を完全に抑え、国際大会初セーブをマークした。先発した中日・高橋宏斗投手(22)の4回8奪三振2失点を手始めに、投手陣による1試合17Kは五輪、WBCを含めた3大大会の侍タイ記録。打っては7回に阪神・森下翔太外野手(24)がチーム1号となる2ラン。16日の第3戦は台湾と対戦する。

 自らゴロをさばいて試合を締めると、小さく右拳を握った。大会初登板の大勢が1回無安打無失点で国際大会初セーブ。「全然違う景色だったので慣れない部分もありましたが、国際試合の独特な雰囲気の中で3人で抑えられたのは良かったです」。連勝スタートに貢献し、侍デビューから10戦連続無失点ともなった。

 3点リードの9回に、出番が訪れた。「マウンドにも気楽に上がれた。野手陣に感謝したい」と最速155キロの直球とフォークで二ゴロ、右飛、投ゴロの危なげない投球だった。スタンドの「大勢」のタオルも目に入り、「台湾のファンの皆さんも温かい人が多いです」と感謝した。

 試合前には多くの台湾メディアから取材も受けた。昨年12月、台北Dで巨人の親善試合の記者会見に出席。だが3月の親善試合には、けがのため出場できなかった。約1年ぶりの同球場に「ワクワクしています」などの言葉とともに、「我愛台湾」(台湾、愛してる)と発し、現地メディアを喜ばせた。

 昨年3月のWBCも経験した侍戦士。当時共闘した阪神・湯浅への思いも胸に腕を振っている。普段から連絡を取り合う親友は8月に「胸椎黄色じん帯骨化切除術」を受けた。ちょうどその頃、インスタグラムには湯浅の背番号「#65」とともに「僕の投げている姿で色々な方に勇気や活力を与えられるように一日一日ベストを尽くします」などとつづっていた。

 22年には新人王も争った同学年。「彼のおかげで僕ももうひと踏ん張りできた瞬間があった。リハビリや気持ちは、僕が想像もつかないぐらい大変だと思う。僕がもらっていたモチベーションを、次は僕がプレーで、リハビリのモチベーションになることができるようにしたい」。マウンドでは冷静な表情の一方で、熱い魂を宿している。

 チームは強化試合を除く国際大会21連勝で、プロ選手が出場した韓国戦では9連勝。井端監督は「苦しい戦いは試合前から予想がついていたが、勝てて良かった。台湾戦も当然勝たないといけない。向こうも全勝で来ているので、明日勝って優位に進められたら」と気を引き締め直した。「チケットも完売みたいなのですごい盛り上がると思いますし、球場の雰囲気にのまれないように」と守護神。絶対的な存在として世界一まで託された仕事を全うする。(田中 哲)

 ◆プレミア12の主なルール

 ▽DH制 採用

 ▽タイブレーク 10回以降、継続打順で無死一、二塁から

 ▽コールド 5回15点差、7回10点差で1次Lのみ適用

 ▽使用球 WBSC公認球

 ▽ピッチクロック 無走者時のみ20秒

 ▽リクエスト(チャレンジ) 1回目で失敗すれば権利を失い、成功すれば継続

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