高校サッカーの超名門・帝京が15年ぶり選手権切符 主将砂押「新しい帝京をつくるために入学してきた」
スポーツ報知 / 2024年11月17日 6時0分
◆全国高校サッカー選手権東京大会▽Aブロック決勝 帝京2―1国学院久我山(16日、駒沢陸上競技場)
東京Aブロック決勝で、戦後最多の選手権6度優勝を誇る帝京が、国学院久我山に2―1で競り勝って、15年ぶり35度目の出場を決めた。前半18分に先制されたが同34分に追いつき、後半39分にPKで勝ち越し点を決めた。2009年度大会を最後に選手権から遠ざかり、長らく低迷していた名門が復活。“新生カナリア軍団”が、冬の風物詩の舞台に戻ってきた。Bブロック決勝は、昨年全国ベスト4の堀越が実践学園に延長戦の末に3―2で勝利し、2年連続6度目の出場を決めた。組み合わせ抽選会は18日に行われる。
勝利への執念を宿した帝京が、ようやく重い扉をこじ開けた。後半39分にPKで勝ち越し点を決め、迎えた5分のアディショナルタイム。国学院久我山にCKやロングスローでゴール前に迫られたが、最後までゴールを死守し、駒沢で歓喜の時を迎えた。前監督で現・総合アドバイザーの日比威(ひび・たけし)氏から引き継ぎ、今季から指揮する同校OBの藤倉寛監督は「選手権出場というものを彼らが成し遂げたので、一つ形はできたと思います。今季一番のゲームだった」とたたえた。
“新生カナリア軍団”として帰還した。選手権の優勝回数は国見(長崎)と並んで戦後最多の6度を誇り、勝利数は歴代2位の65勝。誰もが知る高校サッカー界の名門だが、「勝って当たり前」のプレッシャーは、選手にとっては大きな重圧でもあった。09年度大会を最後に選手権から遠ざかり、スタイルの転換を図ったのが、14年に日比氏が監督に就任してから。フィジカル重視から、技術を生かしたサッカーとなり、さらに主将のMF砂押大翔(はると、3年)が「古豪と言われ続けていますけど、新しい帝京をつくるために入学してきた」と話したように、選手の考え方も変化。21年に11年ぶりに夏の高校総体出場を果たすと、22年夏は準優勝。そして、「勝つ義務より、勝ちたい欲」をテーマに掲げた今年、2年連続で準決勝で敗れていた宿敵を倒し、ようやくいるべき場所にたどり着いた。
帝京魂、ここにあり―。時代も、スタイルも変わったが、不変だったのは選手権の目標が「優勝しか掲げていない」(砂押主将)ということだ。全国優勝回数を表す、9個の星が刻まれたユニホームを身にまとった帝京が、冬の風物詩に帰ってくる。(後藤 亮太)
◆帝京サッカー部 1956年創部。高校サッカー界の名将で、65年から03年まで指導した古沼貞雄氏の下、選手権は74年度の53回大会での初優勝から、56、58、62、63、70回大会(63、70回は両校優勝)と戦後最多タイ6度の優勝を誇り、夏の高校総体でも76、82、02年と3度優勝している。現在の部員数は110人。
◆主な帝京サッカー部OB 現役では元日本代表MF稲垣祥(名古屋)や元日本代表DF三浦颯太(川崎)ら。引退した選手では、02年日韓W杯と06年ドイツW杯に出場したDF中田浩二=や、元日本代表FW田中達也、MF礒貝洋光、MF本田泰人らがいる。11年ドイツW杯でなでしこジャパンを優勝に導いた佐々木則夫・女子委員長もOB。芸能界ではとんねるずの木梨憲武やホストで実業家のROLANDがいる。
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