【高校サッカー】静岡学園が22年ぶりに県連覇…県3冠達成し全国へ…得点王は先制弾のFW乾皓洋
スポーツ報知 / 2024年11月17日 6時0分
◆全国高校サッカー選手権静岡県大会▽決勝 静岡学園2―0浜松開誠館(16日、エコパスタジアム)
静岡学園が浜松開誠館を2―0で下し、2年連続15回目の優勝を飾った。前半21分にFW乾皓洋(こうよう、3年)が先制点を奪うと、後半終了間際にMF天野太陽(3年)が加点。新人戦と総体に続く県3冠に、3年ぶりに輝いた。静学の2連覇は01―02年以来で、大会では07―08年の藤枝東以来16年ぶり。MVPにはDF岩田琉唯(るい、3年)が選ばれ、乾は得点王を獲得した。静学は12月28日開幕の全国大会に出場する。
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静学のストライカー乾が開誠館の堅い守りを打ち破った。前半21分、相手DFのクリアボールがゴール前に高く上がり、激しく体をぶつけながら競り合った。それを「思い通りの場所に落とすことができた」。倒れ込みながら右足を振り抜くと、グラウンダーのシュートがネットを揺らした。試合の流れを引き寄せる先制弾。背番号13は仲間と抱き合って喜んだ。
今年のチームの苦しかった台所を象徴する選手だ。1月の新人戦を制したものの、4月に開幕したプレミアリーグで、いきなり5連敗。昨年のエースFW神田奏真(現川崎)のような点取り屋が不在だった。そこで川口修監督(51)が8月に乾をボランチからコンバートしたのだ。
これが当たった。前線で体を張ってボールを収めるプレーで、プレミアでもチームトップの6得点。「点を取るのが楽しい」と今大会も2戦連続ゴールで計5得点。藤枝東の湯山大輔(3年)と並んで得点王のタイトルに輝き、「大会前から目指していました」と白い歯を見せた。
県3冠は21年以来3年ぶり。当時は磐田入りしたMF古川陽介らタレントがそろっていたが、今年は飛び抜けた選手がいない。昨年のレギュラーだった主将の野田裕人(3年)も負傷で欠いた。
それでも結果を出した。長い間、先輩たちができなかった2連覇も達成。夏の全国総体で8強入りして選手たちは自信をつけ、プリンスリーグで経験を積んだFW佐々木雄基やMF神吉俊之介(ともに2年)が今大会直前にBチームから昇格して躍動。キャプテンマークを巻いて最終ラインを統率し、MVPに選ばれた岩田は「レベルの高い選手がそろっています。チーム力で勝てた」と振り返った。
2年連続で全国に臨むが「まだまだ課題はある」と指揮官。前半の決定的なシュートがポストを直撃するなど、「決め切る力が足りない」と厳しかった。目標は19年度の先輩たちに続く日本一。あと1か月、練習を重ねてチーム力をさらに上げていく。(里見 祐司)
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50メートル6秒0の俊足MF原星也(3年)が、慣れない左サイドから何度もチャンスをつくった。前半6分に左足で高速クロス。同21分には、相手DFに当たって大きく跳ね上がったパスが乾の先制ゴールを呼び込み、「最低限の仕事はできた」と苦笑した。
本来は右サイドだが、この日は左の加藤佑基(3年)が入試で不在のため逆側へ。以前から「いいライバル。加藤が点を取ったら自分も、と燃えるんです」と意識しており、「あいつのためにも頑張りたい」と気合が入っていた。この日の先制点にアシストはつかなかったものの、今大会計3アシストでDF望月就王(なお、3年)とともにタイトルに輝いた。
ネットで試合経過を見ていた加藤も試合後に合流。「勝って良かった」と仲間に感謝した。原は「先輩たちができなかった連覇を達成できたことは自信になります」と勝利をかみしめた。
静岡学園MF天野太陽(ロングシュートで追加点)「GKが前に出ていたので思い切りよく打ちました」
2年ぶりの王座奪還に届かず、浜松開誠館の選手たちは肩を落とした。ゲームキャプテンのDF岩崎総汰(3年)は「自分のミスで終わらせてしまった」と、1失点目につながったクリアミスを猛省。2失点目もミスによるもので、「少しのイージーミスをするのが開誠館、それを決めるのが静学。少しの差だけどそれで試合が決まった」と話した。後輩に向け「1年間、隙なく練習をやれば、きょうのような失点はなくなる。必ずリベンジして、全国に連れて行ってほしい」。付属中出身の2年生は全中優勝の代。MF川合亜門(2年)は「今年の3年生はお手本になる選手ばかり。そこを吸収して、次は(静学を)倒したい」と決意を強くしていた。
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