【オリックス】岸田護監督、独占インタビュー「色んな感情がある」覇権奪回への決意…前編
スポーツ報知 / 2024年11月27日 7時0分
オリックス・岸田護監督(43)がスポーツ報知のインタビューに応じ、覇権奪回への決意を明かした。昨年までのリーグ3連覇から5位に沈み、中嶋聡前監督(55)からバトンを受け、オリックス・バファローズOBでは初の監督就任。12球団で最年少となる青年指揮官は自身を「舞台監督」と表現し、パフォーマー(=選手)を美しく踊らせるための脚本を制作中だ。(取材・構成 長田 亨)
―監督就任から1か月以上がたった
「最初は正直、まさか僕が…という感じでした」
―05年に近鉄と統合したオリックス・バファローズのOBでは初の監督になる。
「球団の方からは『生え抜きとしてやってくれないか』という言葉をいただいたので。そうだな。生え抜きだな…と。そんな気持ちですね」
―昨年まで3連覇。中嶋監督の後任のプレッシャーは
「いろんな感情があります。勝ちに向かっていく、勝たないといけない、というプレッシャーだったり。いいチームにしていかないといけない、という責任だったり。不安もあれば、楽しみなところもあります」
―今季は5位に沈んだが、チームとしての地力、個々の強さはある
「そうですね。強い子たちだと思っています。ポテンシャルの高い子たちだとも、ずっと思っています」
―チームの中心、柱として期待する選手は
「例えば投手で言えば(山本)由伸だったり、打者なら(吉田)正尚だったり。その2人がいた時と、今を考えれば、逆にどうですか?」
―宮城がエースとして成長。森も「隙のないチームの先頭に立てれば…」と意気込んでいる
「彼らは間違いなく実力者ですからね。森くん、西川くん。少し若いけど、宮城、曽谷もそうです。ベテラン陣を含めて、そういうふう(中心に)になり得る子たちがいます。出てきてくれるのを待っているという感じですね」
―生え抜きの野手では杉本や頓宮、宗、福田、中川らが苦しんだ
「3年間フルで試合に出続けて活躍することが、どれだけ難しいのか。彼らもそれが分かったんじゃないですか? 3年間ずっと活躍を続けたのは、由伸、宮城ぐらいでしょう。とはいえ、彼らにも期待はしているし、できる子たちだと思っています」
―苦しんだことを糧に
「プロ野球で2年連続で結果を残せなければ、次に待っているのはクビですから。おのおの分かっていると思うし、巻き返すという熱い気持ちになってるはずです。逆に今年、若くて活躍できた子たちが『できるよな!』とならないようにも、していかないといけない。みんなで競争の気持ちを持って、やっていくチームだと思うので」
―今季まで投手コーチ。野手を中心に、コミュニケーションは
「無理やり内情まで聞くようなコミュニケーションって、本当に必要なのかどうか分からないですよね。一番は選手がやりやすいように、頑張れるように。モチベーションを高く保てるようにできるか。そんな『名言』みたいなものはないですよ(笑い)」
―現役時代に指導者からどのように教えられたか
「ああしろ、こうしろ、と言われた記憶はないですね。昔、コリンズ監督に『ベースのココ(四隅)に投げなさい。一番いい球は(ベース盤を通過する球速が)144キロぐらいだよ』と指導されたぐらい。頑張れよ、頼むぞ、とか。そういう言葉がほとんどでしたから」
―理想とする野球は
「今の野球は難しいですよね。チームとしての色がバチッと決まっていたか? と言うと、どうですかね…。オリックスってどんな野球するんだろう…。って(逆に)どうですか?」
―投手が中心の守り勝つ野球。「全員で勝つ」というスタイルが定着している
「難しいでしょ?」
―とはいえ、色づけも大事な仕事
「選手たちがどういう働きをするかで、決まっていくと思っています。例えば『ここはバントでいく』と決めて、後続が打てなかったら0点です。もしくはバントなしで無死二塁、無死一、三塁をつくる。そういう野球の方が複数点が入ると、データ上では言われています。でも果たして、それが本当にできるのか。エンドランもギャンブルな作戦ですから。すべてうまくいけば、打率10割、そんなことは絶対にないので、攻撃の色は難しいです」
―やはり投手を中心とした野球になる
「野球なので、もちろん3点以内に抑える投手力があって、5点くらい取れる攻撃力があるのが理想的です。守りの野球の方が、堅いとは思います。3点以内に抑えておけば、年間で(勝率)5割は勝てるとされていますから。そこは当然、やっていかないといけないでしょうね」
―手堅い野球をしたいか
「手堅い時もあれば、押せ押せでいく時も出てくる。その場、その場で、選手たちと試合に応じて働けたらいいと思います」
―それができる選手たちでもある
「できると思うし、本当に能力が高いと思っていますから。小さくなって悪くなるのは、絶対に良くないので。思い切って、持ち味をどれだけ出し続けられるのか。それができれば自信になって、相手が恐怖を感じるようなチームになる。気持ちの面でも作戦でも、大事なことだと思います」(後編へ続く)
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