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「違う背番号の方が…」巨人08年ドラ1大田泰示が闘った苦悩と重圧 葛藤を糧に日本ハム&DeNAで台頭

スポーツ報知 / 2024年11月19日 5時5分

現役引退を表明した大田は、記者会見で笑顔を見せる(カメラ・相川 和寛)

 巨人、日本ハムを経て今季までDeNAでプレーした大田泰示外野手(34)が18日、横浜市内の球団事務所で引退会見を行った。重圧をはねのけて、3球団を渡り歩いてきたが、今季はプロ16年目で初の1軍出場なし。体調面は問題なく現役続行を模索してきたが、NPBからのオファーがなく決断。「今はもう悔いや後悔はありません」とすがすがしい表情でプロ野球生活に別れを告げた。

 * * * *

 大田は「悔いはない」と晴れやかな表情で引退会見に臨んだ。広島・福山の城南中での卒業文集では「20年後の自分へ」というタイトルで執筆。「ジャイアンツ、プロ野球の道へ進んでいると信じています」などと未来予想図を記し、「今しかない人生。悔いの残らない人生を送れよ。by15歳の自分」と締めていた。故郷を離れて東海大相模に進み、巨人入団の夢をかなえて悔いなく引退。20年前の有言実行、やり切った。

 巨人では背番号「55」の重圧と闘い苦悩。「違う背番号の方が良かったんですかね」と葛藤した。浅村ら同学年の選手が先に台頭して焦った。つらい経験も糧に成長し、日本ハム、DeNAでの活躍につなげた。

 小さい頃は三次高で投手だった父・幹裕さんに野球を教わった。名前の「示」には「人に模範を示してほしい」との両親の願いが込められている。その通り勉強にも前向きに取り組み成績は優秀。明るい性格でいつも周りには仲間がいた。

 犬好きでプロ2年目の10年から実家で新たな家族となったチワワは今も元気に暮らしている。毎年オフの帰省時には愛犬からパワーをもらっていた。豪快さと優しさを兼ね備え、ファンや同僚から愛された。数字以上に記憶に残る野球選手だった。(片岡 優帆)

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