大の里新大関V率0%…10日目までに3敗は過去に優勝例なし
スポーツ報知 / 2024年11月20日 6時30分
◆大相撲九州場所10日目(19日・福岡国際センター)
新大関・大の里が痛恨の3敗目を喫した。関脇・大栄翔に寄り切りで完敗し、トップとは2差がついた。1場所15日制が定着した1949年夏場所以降の新大関優勝力士で、10日目までに3敗した例はない。2006年夏場所の白鵬以来、史上9人目の偉業に向け“黄信号”がともった。琴桜と豊昇龍の2大関と平幕の隆の勝が1敗で首位は変わらず。2敗で平幕の阿炎と尊富士が続く。
得意の形になれず、押し切れなかった。大の里は大栄翔に右はず、左おっつけで走ったものの、もろ差しを許す。組み合って右上手を離して左突き落としを試みたが、あえなく寄り切られた。過去4戦全勝で徳俵に足をかけた相手に逆襲された。優勝争いのトップとも2差がつく3敗目。2006年夏場所の白鵬以来となる新大関Vが遠のき、「もう一度集中するだけ」と唇をかみしめた。
現行の1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、新大関Vは白鵬ら過去5人いるが、10日目までに3敗して優勝した例はない。3敗して賜杯を抱いた新大関は、69年名古屋場所の清国だけだが、清国は中盤で白星を積んで3敗目を喫したのは12日目だった。大の里は今後、対戦成績でともに2勝3敗で負け越している豊昇龍、琴桜の2大関戦を残し、苦しい終盤戦を余儀なくされる。
対戦相手に取り口を研究されている。立ち合いで得意の右を差せなかった阿炎、若隆景戦で黒星。初日の平戸海戦ももろ差しを許しての辛勝だった。八角理事長(元横綱・北勝海)は「腰が高いし、投げがないということ。場数が少ないから」と、技術や経験の不足を指摘。192センチ、182キロの巨体と、「自分の武器は速さ。動きを止めない相撲を意識している」と語っていた“必勝の形”を封じられた時の対応力が、今後の鍵となる。
10日目までに勝ち越しを決められなかったのは、9勝6敗に終わった名古屋場所以来。だが、同理事長は「内容は悪くない。開き直っていけると思う」と奮起を期待。新関脇だった名古屋場所は5勝5敗から4連勝し、秋場所の大関取りにつなげるなど終盤戦で巻き返した。「明日からまた、5日間が大事」。大器は目を閉じて、闘志を燃やしていた。(山田 豊)
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