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“遅れてきたストライカー"小川航基、ヘッド2発で代表9戦9得点 東京五輪代表落選も「俺ならできる」 

スポーツ報知 / 2024年11月20日 5時5分

◆2026年北中米W杯アジア最終予選 第6戦 中国1―3日本(19日、中国・アモイ)

 【アモイ(中国)19日=星野浩司】日本(FIFAランク15位)はアウェーで中国(同92位)を3―1で退け、8大会連続のW杯出場に王手をかけた。前半39分に、2戦連続で先発出場したFW小川航基(27)=NEC=が先制。後半2―0から1点を返されたが、小川が自身2点目を決めて勝ち切った。日本は歴代最多記録を更新する27戦連続得点とし、C組5勝1分けの首位独走で、年内最終戦を白星で終えた。次戦は来年3月20日のホームでのバーレーン戦。勝てば日本史上最速、3戦を残してW杯出場が決まる。

 この駆け引きとシュート技術の妙が、ストライカー小川の真骨頂だ。0―0の前半39分、MF久保からのCKに相手DFの隙を囲まれながらもヘディングで合わせて先制。さらに2―1の後半9分、MF伊東からのクロスにファーサイドでフリーになると難なくヘッドで押し込んだ。「苦しい時間帯が続いたので、先制点が鍵になると思っていた。先制点取れたのは大きかった。(2点目は伊東)純也君が持った時は必ずいいボールが上がってくると信じていた」。A代表では9戦9得点となる2ゴールで、この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出された男がチームを勝利に導いた。

 カタールW杯後の第2次森保ジャパンで最多14得点、最終予選では2得点のFW上田が太もものけがで不在の今回。「このチャンスを自分のものにしたい」という言葉に、今回にかける思いをにじませていた。上田より1歳年上で、高校時代に先に名前が売れたのは小川。世代ナンバーワンストライカーとして磐田入りしたが、その後は大学を経て鹿島入りした上田が頭角を現す一方、自身は負傷などもあって伸び悩んだ。再び注目を集めたのは横浜FCでJ2得点王となったプロ8年目。21年東京五輪の出場も逃し、上田に大きく差をあけられた時期もあった。

 インドネシア戦ではMF鎌田のラストパスに飛び込んだことで先制点が生まれたが、オウンゴールとなり数字は残せず。ミドルシュートや裏への抜けだしが特徴の上田を上回る点は、ポジショニングとタイミングの良さを誇るヘディング。この日は前半、攻めあぐねる中で奪った先制点、後半失点した直後のチーム3点目と、どちらも貴重なゴールで存在感を示した。

 上田不在の2試合で2ゴール、計3点に絡み代役からライバルへと完全に昇格した。アジアでは無双状態の森保ジャパンがさらに強くなるには、チーム内競争の激化が必須。日本代表でも覚醒した“遅れてきたストライカー”の存在が、森保ジャパンをさらに強くする。

 ◆小川 航基(おがわ・こうき)1997年8月8日、横浜市生まれ。27歳。桐光学園高から2016年にJ1磐田へ加入。19年夏にJ2水戸へ期限付き移籍、22年から横浜FC入りし、26得点でJ2得点王と同MVPを獲得。23年7月にオランダ1部のNECに期限付き移籍し、11得点を挙げた。今年7月に完全移籍。19年12月の東アジアE―1選手権・香港戦、ハットトリックで日本代表デビュー。186センチ、78キロ。利き足は右。既婚。

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