炎鵬が長期休場から復帰後初の無傷6連勝 三段目優勝にも一歩前進「インタビュールームに行ってみたい」
スポーツ報知 / 2024年11月20日 12時24分
◆大相撲 ▽九州場所11日目(20日・福岡国際センター)
脊髄損傷のため7場所連続休場から復帰3場所目の、元幕内で西三段目56枚目の炎鵬(伊勢ケ浜)が初日から6連勝を飾った。東同63枚目・野田(藤島)との一番は頭から当たり、右を差した。下手で振って相手の体勢を崩して寄り切った。「硬かったですね。ここまで来たら気持ちが高ぶってきますが、しっかり抑えて相撲が取れました」と振り返った。
自身が30歳なのに対し、相手は18歳。年月の経過に「怖いですね」と苦笑しつつも、「年下ですけど番付は一緒ですから、挑戦する気持ちで取りました」と心境を述べ、「勝っているということは相手も強い。しっかり気持ちをつくっていかないといけないですから。経験で勝ちましたね」と、うなずいた。
炎鵬は十両だった昨年夏場所、持病の首痛が悪化。初日から9連敗を喫した後に部屋へ戻ると体が動かなくなり、翌日から休場を余儀なくされた。脊髄損傷のため2週間の入院中は寝たきり。当初は握力が10キロ程度まで落ち、箸も持てなかった。医師から手術を勧められ、日常生活に戻るために相撲は断念するよう告げられた。だが不屈の闘志で復帰への道を歩み、1本のひもを結ぶ練習から始まった壮絶なリハビリなどの日々を乗り越えてきた。
復帰となった今年の名古屋場所は序ノ口で6勝1敗、序二段に番付を上げた秋場所も6勝1敗の成績を残し、三段目まで番付を戻してきた土俵で、長期休場から復帰後初の無傷6連勝。三段目優勝にもまた一歩前進した。VならNHK大相撲中継のインタビューに呼ばれるのが恒例で「インタビュールームに行ってみたいですね。そういうワクワクというか、目標があるのはいいこと」と笑顔を見せた。
また優勝決定戦となれば、十両土俵の後に実施されるのが基本で、多くの観客の前で相撲を取ることになる。「まずは7番勝つこと」と次の一番に集中する構えを見せつつ、「自分の中の(熱い)ものがフツフツとわき上がって、眠っていたものが覚めてきているかなと思いますね」と血をたぎらせた。
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