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「カタールW杯とは全く志が違う」中村憲剛氏が指摘する森保ジャパンの「すごさ」豪州にリベンジすれば最終予選「完璧」

スポーツ報知 / 2024年11月21日 6時30分

◆2026年北中米W杯アジア最終予選 第6戦 中国1―3日本(19日、中国・アモイ)

 日本(FIFAランク15位)は19日に敵地で中国(同92位)を3―1で破り、8大会連続のW杯出場に王手をかけた。FW小川航基(27)=NEC=の2得点などで年内最終戦を白星で終えた。来年3月20日の次戦、ホーム・バーレーン戦で勝てば3試合を残して過去最速でW杯出場が決まる。元日本代表MFの中村憲剛氏(44)は、アジアで圧勝しながら世界で戦う術(すべ)を探る森保ジャパンに期待をかけた。

* * *

 アジアの中では、敵なしという強さを見せた24年の最終予選だった。前線はサイドでも中でも、世界レベルでやっている選手たちですべてが強み。相手は真ん中を守ったら外からやられる、外をケアしたら中央を割られる。4枚(4バック)にしたらスコスコと間を攻められ、5枚(5バック)にしたら、今度は立ち位置を変えてきて、急にボランチの守田と鎌田が入れ替わってきたり…。体力のある前半は耐えられても、セットプレー、個人、グループ戦術も使って、あの手この手でこじ開けてくるだけの引き出しもあるので、後半に耐えきれず差がついてしまう試合が多い。そして、せっかくボールを取っても、遠藤航というボール回収の鬼がいて、息つく暇もなく2次攻撃される。相手からすると、守備陣形が崩れてしまう。だから最初は保てるが、ジャブが効いてくる。どこをどう守ればいいの、と。あとはホームで引き分けたオーストラリアにリベンジ完遂すれば、もう完璧な最終予選突破になる。

 中国戦はセットプレーで点を取ったのが大きかった。まるで昔の鹿島のよう。流れが良くなくても、セットプレーで流れを強引に引き込む。その前には何回もしつこく、縦と横と斜めを織り交ぜながら、相手の陣地で崩そうとしていた。それが(久保)建英のシュートにつながって、セットプレーでの得点につながった。根気強さもあるし、日本の選手たちからすればいつも通り淡々とやることだけだったのではないか。カウンターを受けたインドネシア戦の反省も踏まえ、ロングボールの対応もうまくできていた。

 攻撃的な3バックは、カウンター対策など課題もあるが、アジアでは十分通用した。両WBが下がり5バックで引いて守る形で、前回のカタールW杯ではドイツ、スペインに勝った。今は、同じ人の配置(3―4―2―1、または5―4―1)でも全く志が違う。これをどこまで貫くか。今、すごいのは、これを試しながら最終予選で勝っている点。今まではW杯予選で、先の準備をしながら勝ち進むことはほぼ不可能だった。こんなに順風満帆な中で、新しい実験、世界で勝つためのシステムで勝ち続けている。相手の分析が進むなど懸念点もあるが、これで世界の強豪国にどこまでできるのか親善試合などで見てみたい。結果的にその試合に負けたとしても、W杯本戦に向けて得られるものは多いはずだ。(元日本代表、川崎MF・中村 憲剛)

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