落語家の桂雀々さんが20日に死去、64歳 10月末から糖尿病治療で落語会を休演
スポーツ報知 / 2024年11月22日 13時44分
落語家の桂雀々(かつら・じゃくじゃく、本名・松本貢一=まつもと・こういち)さんが20日、糖尿病による肝不全のために死去していたことが分かった。22日、所属事務所が発表した。64歳だった。遺族の意向により、葬儀は近親者のみで執り行われた。後日、お別れの会を予定しているという。
雀々さんは10月26日に体調不良のため、当面の間、落語会を休演することを所属事務所の公式Xで発表。11月13日には、同じくXで「持病の糖尿病により、現在入院加療中です。早期の復帰を目指してはおりますが、大事を取り、年内出演予定の落語会を休演させて頂く事といたしました」としていた。
2008年に自伝的小説「必死のパッチ」を出版した時の会見によると、大阪市内で育った雀々さんは両親不在の壮絶な少年時代を送った。父親がギャンブルで借金を重ね、小学6年の時に両親が相次いで蒸発。自宅に残された雀々さんは、新聞配達などをしたほか、近所の人たちの援助なども得て生計を立てていたという。
16歳だった1977年に2代目桂枝雀に入門。同年10月に初高座を勤めた。81年にはABC漫才落語新人コンクールで最優秀賞を受賞した。師匠譲りの明るくハチャメチャな高座で人気を集め、87年にはNHK新人演芸コンクールの落語部門で最優秀賞を受賞した。
2010年には、市川猿翁さんの「スーパー歌舞伎」にならい、高座の周りに大道具を設置したり炎や煙、効果音を使って「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」を「スーパー落語」として演じるなど、斬新な企画を考案。俳優の伊原剛志を”弟子”に取ったり、17年の公演では歌手・桑田佳祐がサプライズで出演したりするなど、幅広い人脈でも知られた。
上方の3代目桂米朝一門に名前を連ねながら、11年からは東京に拠点を移して活動をしていた。6月に死去した桂ざこばさんとは、妻同士が姉妹という関係。義理の兄を亡くした雀々さんは「あまりに急なことなので、まだ現実味がありません。想い出がありすぎて心の整理もつきません。本当に淋(さび)しすぎます」とコメントしていた。
◆桂雀々(かつら・じゃくじゃく)本名・松本貢一(まつもと・こういち)。1960年8月9日、大阪府出身。75年、TBS系「ぎんざNOW!」に出演してチャンピオンになった後、77年に2代目桂枝雀に入門。85年上方お笑い大賞銀賞、86年日本放送演芸大賞新人賞受賞。2011年から活動拠点を東京に移す。俳優として映画「しあわせのかおり」「黄金を抱いて飛べ」などに出演。
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