【阪神】全力慰留の阪神か獲得を目指す巨人か「自問自答しながら毎日いる」大山悠輔の悩める胸中

記念写真を撮る（左から）中野拓夢、木浪聖也、大山悠輔、近本光司（カメラ・谷口　健二）

　国内ＦＡ権を行使した阪神・大山悠輔内野手（２９）が２１日、神戸市内で行われた球団のゴルフコンペに参加し、終了後に心境を明かした。権利行使を表明した１３日にコメント後、初の公の場。８日が経過した現在も「自問自答しながら、毎日いる」と宣言残留か、移籍するかを熟考中。「決断した時に自分の口から報告するので、今は何も言うことはない」と繰り返した。

　水面下で調査を続けていたパ・リーグ球団が争奪戦から撤退。全力慰留の阪神と、獲得を目指す巨人との一騎打ちになっている。阪神は今季年俸２億８０００万円からの大幅増に、最大５年の複数年契約を提示しているとみられる。一方、巨人は阪神を上回る５年以上の超大型複数年の契約を用意している。

　この日、他球団との接触の有無を問われた背番号３は「そこについては今、お話しすることはない」と言及を避けた。同コンペに参加した藤川監督は「人生の岐路に立っていることは間違いない。どの道に行っても、それが人生。本当にそっと見守るしかないし、親のような気持ちかもしれない」と胸の内を明かした。

　大山は近本、木浪、中野と回ったゴルフを「すごく楽しい時間だった」と振り返った後、２３日のファン感謝デーにも参加する意向を示した。「どういう決断をするにしろ今年１年間、僕もチームも応援してくれたことに変わりはない。感謝の気持ちを伝えたい」。７年連続２ケタ本塁打を記録する猛虎の主砲。自身の野球人生、また家族との人生を考え抜き、結論を出す。（中野　雄太）

　〇…粟井球団社長はタイガース杯ゴルフを終え、国内ＦＡ権を行使した大山について「決断を待つだけ。残ってほしいというのは、ずっと言っている」とした。ラウンド中、後ろの組だった大山と雑談程度の会話を交わしたという。チームの主砲が抜ければ、編成面に影響が出るだけに、補強にも言及。「外国人を中心に考えて、（大山が）抜けても抜けなくても、（編成が）考えてやってくれている」と説明した。