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宇津木秀 保田克也とダウンの応酬 激闘制してライト級の地域統一王者に

スポーツ報知 / 2024年11月21日 23時4分

6回、コーナーでラッシュをかける宇津木秀(左)(カメラ・堺 恒志)

◆プロボクシング 「フェニックスバトル125」▽WBOアジアパシフィック(P)、東洋太平洋ライト級(61・2キロ以下)王座統一戦12回戦 〇東洋太平洋王者・宇津木秀 (6回TKO) WBOアジアP王者・保田克也●(21日、東京・後楽園ホール)

 WBOアジアパシフィック(P)&東洋太平洋ライト級王座統一戦は、東洋太平洋王者・宇津木秀(ワタナベ)がWBOアジアP王者・保田克也(大橋)とダウンを奪い合う激闘の末、6回TKO勝ち。東洋太平洋王座初防衛とともに、WBOアジアP王座を奪取。地域2王座の統一王者になるとともに、日本王座も含めた地域3冠王の称号を手にした。保田は4度目の防衛に失敗した。

 戦績は30歳の宇津木が15勝(13KO)1敗、32歳の保田が14勝(9KO)2敗。

 激しい打ち合いに1469人が集まった後楽園ホールが沸いた。4回。宇津木の右が決まると保田がダウン。東洋王者が右手でガッツポーズを見せた。なおも詰め寄ってラッシュをかけ、右フックでぐらつかせた。必死に耐えた保田はワンチャンスを逃さない。カウンターの右をさく裂させると今度は宇津木がダウンだ。何とか立ち上がり、クリンチで何とかピンチをしのいだ。5回も連打を仕掛けるが、耐えに耐えた保田がまたも起死回生の左カウンター。宇津木は再び倒された。

 6回、陣営から気合を入れられた宇津木のワンツーがヒット。保田は尻餅をつくように倒れた。倒し倒されの激闘に場内はさらにヒートアップした。立ち上がった保田に宇津木が猛ラッシュ。コーナーに詰めて連打を仕掛けると保田の手が止まる。レフェリーが割って入って試合を止めた。

 「保田さんに勝てたことがうれしい限り。ダウンを奪われたパンチは見えなかった。針の穴を突くようなカウンターは見えなかった。すごかった。めっちゃ、効きました。2度目も見えなかった」と宇津木。リングサイドの元世界2階級制覇王者・京口紘人(ワタナベ)から「(気をつけるのは右だけでいい」と言われたが、「これで左ガードができるようになった」(小林尚睦トレーナー)という。陣営は冷静に後半勝負を指示したが、宇津木は「頭の中では12回、12回と思っていたが、どうしても…。この距離だと僕が強いと過信していた」と反省。京口は「ひやひやしたけど、相手は強いチャンピオン。世界ランカーに勝ったのだから、反省は家に帰ってからすればいい」とまずは勝利をたたえた。

 2022年2月に日本ライト級王座を獲得すると、2度の防衛に成功。V3に失敗したものの、再起して今年7月に鈴木雅弘(角海老宝石)に5回TKO勝ち。東洋太平洋王座奪取に成功した。保田戦に向けては、9月1日から8日まで米ラスベガスでキャンプを張り、世界4階級制覇王者・井岡一翔(志成)ら多くの世界王者を育てたキューバ人トレーナーのイスマエル・サラス氏の指導を受けた。WBC世界スーパーライト級王者アルベルト・プエロ(ドミニカ共和国)ら強豪とのスパーリングで腕を磨いた。

 「ライト級は強い選手がいっぱい、いる。負けていられない」と宇津木。今後については「行けるなら世界に行きたい。世界と戦いたい」と夢を広げたが「そのためにはもっともっと練習して、自分に厳しくやっていきたい」と気を引き締めていた。

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