【ジャパンC】日本勢のプライドを死守するのは、平均ペースに強い昨年3、4着馬
スポーツ報知 / 2024年11月22日 15時5分
「日本の競馬場で日本の馬がそんなに簡単に負けるかよ」。20日付スポーツ報知競馬面に掲載された矢作調教師の言葉は胸に響いた。凱旋門賞が行われるパリロンシャン競馬場の馬場は、日本勢にとって特殊な馬場だ。だが高速決着となる東京の馬場は、外国勢にとっては特殊のはず。
実際に、ジャパンCでは1989年にホーリックス(豪州)が当時、世界レコードVと言われた2分22秒2を出し、2005年のアルカセット(英国)が2分21秒1に更新。2018年にはアーモンドアイが2分20秒6で走りきった。この馬場で進化を続けてきた日本勢は、ホースマンのプライドに懸けて勝利を手にしてもらいたい。もちろん狙い馬も日本勢からだ。
今年も良馬場の見通しで、2分22秒台の決着となっても不思議はない。昨年はパンサラッサが引っ張り、最初の1000メートル通過が57秒台の速い流れになったが、2番手以降は平均ペースだったか。それでもヨーイドンの上がり勝負ではなく、イクイノックスが直線で早めに先頭に立っての2分21秒8。著しい不利は無く、昨年3着スターズオンアース(2分22秒6)、4着ドウデュース(2分22秒7)はほぼ実力を出し切っての結果と言えるだろう。
今年もスローからヨーイドンのような競馬にはならないとみる。明確な逃げ馬がおらずペースはミドルからスローが濃厚でも、持続力ある海外勢はスローならば早めにペースを上げていく。東京競馬場の直線は525・9メートル。ファンタスティックムーンは今年のバーデン大賞(バーデンバーデン競馬場は最後の直線が約500メートル)で直線入口手前から仕掛けて勝利したが、前半の流れ次第では3コーナーからペースが上がっていく場面も考えられる。
すると、問われるのは上がり3ハロンよりも長い上がり4ハロン、同5ハロンでの能力。過去に前後半5ハロンのレースラップが1秒以内だった2000メートル以上の重賞での、各馬の成績を調べてみた。まずはドウデュース。22年皐月賞3着、22年日本ダービー1着、23年京都記念1着、23年有馬記念1着。崩れたのは23年天皇賞・秋7着だけ。今回想定した流れで十分に力を発揮できるはずだ。
以下、ジャスティンパレス(21年ホープフルS2着、23年宝塚記念3着)、シュトルーヴェ(24年日経賞1着)、シンエンペラー(23年ホープフルS2着、24年報知杯弥生賞2着)、ドゥレッツァ(24年金鯱賞2着)、ソールオリエンス(23年日本ダービー2着)が主な実績だが、敗戦も多い。そのなか最も安定した成績を残しているのがスターズオンアースだ。
22年秋華賞3着、23年大阪杯2着、23年有馬記念2着と、ペースや馬場にかかわらず全く崩れていない。このうち秋華賞は8キロ増、大阪杯は12キロ増、ジャパンCも12キロ増と休み明けの度に体を増やして3着内に入ってきた。今回も事前に発表された馬体重が16キロ増(前走は海外レースだったため2走前との比較)に加えて大外枠で、人気を落とすようなら狙い目だ。昨年の1、2着馬がいない今年は昨年の3、4着馬が日本勢のプライドを守るはずだ。(編集委員・小松 雄大)
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